保守とは何か (文春学藝ライブラリー) の感想

アマゾンで購入する

参照データ

タイトル保守とは何か (文春学藝ライブラリー)
発売日販売日未定
製作者福田 恆存
販売元文藝春秋
JANコード9784168130021
カテゴリジャンル別 » 人文・思想 » 哲学・思想 » 哲学

購入者の感想

 
 「さて、保守的であるとは、見知らぬものよりも慣れ親しんだものを好むこと、試みられたことのないものよりも試みられたものを、神秘よりも事実を、可能なものよりも現実のものを、無制限なものよりも重宝なものを、理想郷における至福よりも現在の笑いを、好むことである…」マイケル・オークショット「保守的であるということ」(嶋津格他訳『政治における合理主義』勁草書房1988年)

 文芸評論家にして翻訳家、劇作家にして演出家と、マルチな才識を呈していた福田恆存さん(1912‾1994)について、私は江藤淳さんなどとともに、新聞・雑誌等を通じて学生時代から注目していた。ただ、独得の旧仮名遣いによる文章が何とも煩わしく(笑)、結局のところ、流し読みしていた程度だった。この度、その福田さんの言説が、浜崎洋介さんの編集によって、文庫版という形となって世に出たことを嬉しく思う。それでは早速、本書のタイトルともなっている福田さんの「保守」の思想からみてみよう。

 福田さんは、「私の生き方ないし考へ方の根本は保守的であるが、自分を保守主義者とは考へない。革新派が改革主義を掲げるやうには、保守派は保守主義を奉じるべきではないと思ふからだ。私の言ひたいことはそれに尽きる」(私の保守主義観)と語る。この意念に、私は共感する。私も保守的な性向を持つ人間であるけれど、私は「保守思想」という言葉を用いても、「保守主義」というそれを使ったことがない。なぜなら、「保守」の思想とは、簡潔に言って「進歩に対する懐疑」であると考えているからだ。

あなたの感想と評価

コメント欄

関連商品の価格と中古

保守とは何か (文春学藝ライブラリー)

アマゾンで購入する
文藝春秋から発売された福田 恆存の保守とは何か (文春学藝ライブラリー)(JAN:9784168130021)の感想と評価
2017 - copyright© みんこみゅ - アマゾン商品の感想と評価 all rights reserved.