感じて、ゆるす仏教 の感想

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参照データ

タイトル感じて、ゆるす仏教
発売日2018-05-25
製作者藤田 一照
販売元KADOKAWA
JANコード9784044003258
カテゴリジャンル別 » 人文・思想 » 宗教 » 仏教

購入者の感想

『仏教思想のゼロポイント』の魚川氏と、山下良道氏と共に『アップデートする仏教』で「仏教3.0」を提唱した藤田一照氏の対談本。

両者は昔からの知り合いで、考えも比較的近いが、魚川氏は藤田氏・山下氏が口にする「自分(達)の仏教解釈・実践(仏教3.0)こそがゴータマ本来の仏教に違いない(はずだ)」という主張「はずだ論」には批判的、という関係にある。逆に藤田氏・山下氏側に言わせれば、「それぐらいの確信が無ければ、仏道実践者・指導者としてやってられるか」という話になるだろうし、ここは永遠に平行線だろう。

山下良道氏は自身の経歴・思想・メソッドをまとめて書籍で発表しているので話が非常に分かりやすいが、藤田一照氏は、一般には経歴もよく分からないし、山下良道氏のパオメソッドのような分かりやすいテーラワーダ仏教の背骨・基盤があるわけでもなく、基本的に曹洞宗一本の人なので、メソッドも分かりづらい。今回の対談本は、そんな藤田一照氏の経歴・思想面を、友人の魚川氏との対談を通して、あらためて紹介していくという面もあるので、藤田一照氏個人に興味がある人なら、とりあえずは読む価値はあるだろう。

魚川氏側から見ると、今回の著作は、魚川氏の仏教関連書籍の中で、「最もテーラワーダ仏教から遠い作品」となっている。妻帯僧としての藤田氏の経歴紹介のくだりや、そのメソッドの曖昧さも相まって、「テーラワーダ仏教脳」の人や、「仏教の基本教理を知りたい」人が読むには、かなりしんどい内容だと思うし、最後まで読み通せずに挫折してしまう人も多いと思う。そういう意味で、「読み手」を選ぶ著作だ。

内容としては、序盤に藤田氏の妻帯・子育てを含む経歴紹介があり、後は思想・実践を巡る議論となっている。メソッドの紹介などは無く、むしろそういうメソッド的なものに批判的な藤田氏の思想が開陳されている。曹洞宗的と言ったらいいのだろうか。パオでの経験を基に効果的・効率的なメソッドの再構築を目指している山下氏とはこの点では対照的だ。

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