知識ゼロからの科学史入門 の感想
参照データ
タイトル | 知識ゼロからの科学史入門 |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 池内 了 |
販売元 | 幻冬舎 |
JANコード | 9784344902558 |
カテゴリ | ジャンル別 » ノンフィクション » 科学 » 科学史・科学者 |
購入者の感想
科学史というと食わず嫌いのジャンルなのかもしれませんが、平易に説明してある書籍が少ないこともその一因かもしれません。
本書は、高校生や教養課程の文系の大学生が読んで理解できるような工夫が施してあり、文章の優しさが、科学史への面白さをいざなってくれるようになっていました。
1ページの半分は、その内容を具現化したイラストの図版です。
例えば「古代の科学 自然科学の黎明」にある、16ページのアルキメデス(その生涯と功績は26ページの見開きに似顔絵と共に記されていました)の原理も浮力と物体と水の関係が分かるような図を採用してありますので、高校で習った物理の基本原理が苦もなく頭に入るようになっています。
次ページのエラトステネスの地球測定でも、「夏至の太陽の南中高度の違いから緯度の差を割り出し、ここから地球の大きさを計測した」方法を図式化して見せてくれます。一目瞭然でその考え方を学べるようになっていました。
「中世の科学 科学の停滞から革命へ」では、錬金術を取り上げ、「貴金属への欲望が化学を発展させた(34p)」で、当時のイスラムの学者の功績や十字軍の遠征の機に、ヨーロッパにそれらが伝来したことなど、実に分かりやすく伝えてありました。
コペルニクスの宇宙、ティコ・ブラーエの宇宙などを読むと、化学の発達段階が伺え、ガリレオ・ガリレイ(48p)がさらに地動説を強力に推し進めた過程も図式化と共に記されています。
高校の地学で習ったことや大学での科学史の授業を彷彿とするわけですが、これぐらい平易に魅力的に語ってもらうと理系に興味を覚える初学者が増えると評価できる内容でした。
「科学革命以降の発展 近代科学の勃興」「原子力の研究史 物質の深層へ」「生物学・生理学史 生命の謎に迫る」「天文学史 天空への視線」「地球科学史 地球の過去を探る」と内容は幅広く記述してありますが、一貫して図式化し平易に語るという姿勢は崩れません。地学、物理や化学は元より、生物の領域も含めて科学史のフィールド全体を網羅した入門書の誕生は幅広い読者層に受けるでしょうし、朗報だと思いました。
本書は、高校生や教養課程の文系の大学生が読んで理解できるような工夫が施してあり、文章の優しさが、科学史への面白さをいざなってくれるようになっていました。
1ページの半分は、その内容を具現化したイラストの図版です。
例えば「古代の科学 自然科学の黎明」にある、16ページのアルキメデス(その生涯と功績は26ページの見開きに似顔絵と共に記されていました)の原理も浮力と物体と水の関係が分かるような図を採用してありますので、高校で習った物理の基本原理が苦もなく頭に入るようになっています。
次ページのエラトステネスの地球測定でも、「夏至の太陽の南中高度の違いから緯度の差を割り出し、ここから地球の大きさを計測した」方法を図式化して見せてくれます。一目瞭然でその考え方を学べるようになっていました。
「中世の科学 科学の停滞から革命へ」では、錬金術を取り上げ、「貴金属への欲望が化学を発展させた(34p)」で、当時のイスラムの学者の功績や十字軍の遠征の機に、ヨーロッパにそれらが伝来したことなど、実に分かりやすく伝えてありました。
コペルニクスの宇宙、ティコ・ブラーエの宇宙などを読むと、化学の発達段階が伺え、ガリレオ・ガリレイ(48p)がさらに地動説を強力に推し進めた過程も図式化と共に記されています。
高校の地学で習ったことや大学での科学史の授業を彷彿とするわけですが、これぐらい平易に魅力的に語ってもらうと理系に興味を覚える初学者が増えると評価できる内容でした。
「科学革命以降の発展 近代科学の勃興」「原子力の研究史 物質の深層へ」「生物学・生理学史 生命の謎に迫る」「天文学史 天空への視線」「地球科学史 地球の過去を探る」と内容は幅広く記述してありますが、一貫して図式化し平易に語るという姿勢は崩れません。地学、物理や化学は元より、生物の領域も含めて科学史のフィールド全体を網羅した入門書の誕生は幅広い読者層に受けるでしょうし、朗報だと思いました。