折れない心を支える言葉 の感想

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タイトル折れない心を支える言葉
発売日販売日未定
製作者工藤 公康
販売元幻冬舎
JANコード9784344020801
カテゴリ » ジャンル別 » ビジネス・経済 » ビジネス実用

購入者の感想

通算224勝を上げて引退を宣言した名投手の本。いろいろなテーマについて自説を述べたり自身について振り返ったりしている。特に、「根性」「努力」という言葉を遠ざけがちな昨今の風潮に真っ向から反対意見を述べ、才能という言葉に振り回されることを戒めているように、全編にわたって自分の限界を安易に定めず高みを目指す意志を持ち続けることの重要性を訴えているのが印象に残る。著者自身、投手としては元々上背に恵まれているわけではなく、同僚の渡辺久信や郭泰源がうらやましかったのだという。

子供のころは父親にやらされていて野球が嫌いだった。広岡達朗監督時代には毎日猛練習していたが、アメリカに野球留学を命じられ、帰国して宮田征典コーチに教わってやり方も大切だと学んだこと。社会人野球に行くつもりになっていたのを口説き落とした根本陸夫管理部長が、約束どおり「所沢のおやじ」となって要所で支えてくれたこと。厳しいトレーニングで筋力を鍛えて故障箇所をカバーできるようになったこと。亡くなった藤井将雄投手についての想いを語っているところや、城島健司捕手育成のエピソードもある。また、東京ドームで大量失点して3回KOされた時の子供たちの話はそのままドラマになりそうなくらい胸を打たれた。家族を想いまた家族に支えられてきた気持ちは溢れんばかりである。

残念ながらそこで肩を傷めてしまったそうだが、東日本大震災後のボランティアにも熱心に取り組んでいるように元々少年野球の指導でも有名。横浜監督就任の話は流れてしまったが、次は指導者としてプロ野球の発展に貢献する日が来るのを心待ちにしたい。

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