残酷な世界で生き延びるたったひとつの方法 の感想
参照データ
タイトル | 残酷な世界で生き延びるたったひとつの方法 |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 橘 玲 |
販売元 | 幻冬舎 |
JANコード | 9784344018853 |
カテゴリ | ジャンル別 » 人文・思想 » 哲学・思想 » 死生観 |
購入者の感想
身体的特徴のみならず、知能、性格なども遺伝する。そだて方や教育によって「変わる」余地は、ゼロとはいわぬまでも相当かぎられている。ならば多くの自己啓発書が説くような努力や訓練や方法論によって、「よりよい=より豊かな」自分になることはおそらくできない。ここに著者の感じた自己啓発書への違和感がある。
ここから著者は、「よりよい=より認められる」に目指す方向を変え、そのために自分が好きなことで、「その分野でいちばん」になるまで分野の方を細分化してみよ、という。そして「好き」をマネタイズするための仕組みを“自分で設計”すれば、幸福の新しい可能性が見出せると説く。
しかし、自分の好きなことをみきわめ、それを収入にむすびつけるための仕組みを設計するような知的・社会的能力こそ、著者が「遺伝によるところが大きい」という知能や性格に依存するものではないのか? 村上春樹を思わせる、決してえらぶらないやさしい文体で、生物学や心理学の知見を引きつつ、読者といっしょに考えていくというスタイルは好感が持てたし、自己啓発書への違和感という問題提起にまっすぐに向き合う姿勢には敬意を表するが、結論の部分は、従来の自己啓発書が説いているところとさして変わらないという印象をもった。
むりに結論を出さなくてもよかった気もする。
ここから著者は、「よりよい=より認められる」に目指す方向を変え、そのために自分が好きなことで、「その分野でいちばん」になるまで分野の方を細分化してみよ、という。そして「好き」をマネタイズするための仕組みを“自分で設計”すれば、幸福の新しい可能性が見出せると説く。
しかし、自分の好きなことをみきわめ、それを収入にむすびつけるための仕組みを設計するような知的・社会的能力こそ、著者が「遺伝によるところが大きい」という知能や性格に依存するものではないのか? 村上春樹を思わせる、決してえらぶらないやさしい文体で、生物学や心理学の知見を引きつつ、読者といっしょに考えていくというスタイルは好感が持てたし、自己啓発書への違和感という問題提起にまっすぐに向き合う姿勢には敬意を表するが、結論の部分は、従来の自己啓発書が説いているところとさして変わらないという印象をもった。
むりに結論を出さなくてもよかった気もする。
売らんかなのためにタイトルが過激になるのは、ある程度しょうがない。
だが「たったひとつの方法」とは言っているが、「誰にでも」とは言っていないぶんだけ、かなり良心的だし誠実な自己啓発本なのでは?
「たったひとつの方法」を詳解することよりも、「誰でも成功できる神話」からの脱洗脳に重点が置かれているのだろう。
だから「たったひとつの方法」に期待して読み進めると「結論が弱い」印象になる。
多かれ少なかれ自己啓発に万能薬や劇薬を望んでしまうが、本著は「神話」の解毒のための本。
と思えば納得だし、内容もおもしろい。
ナポレンオン・ヒルから勝間和代までのカリスマ自己啓発人たちの罪は「誰でも」成功できると請け負ったところ。
が、橘玲氏が言ってるのは努力や教育、訓練では人は(ほぼ)変われないし、<努力すれば成功できる神話>を信じて泥沼に落ちるよりは、それに見切りをつけて「マックジョブ」に搾取される水際でなんとか自分の好きなことをお金にできないか、と試行する方がよっぽど現実的だと言っているのだと思う。
これまでは「ヘタの横好き」で作っていた自作の歌を多くの人に聞いてもらおうと思えば、自主制作ぐらいしかなかったし、制作費や流通費やらで大金が必要だったけど、いまはネットをうまく使えば、ほぼただで自分の歌を世に問うことができる。どうせダメもとならやらない手はない。万が一、それが「お金」にならなかったとしても、ほんの一握りでもその歌を「評価」してくれる人が見つかれば、それはお金に換えがたい「幸福」をもたらしてくれたりもする。
という理屈。
このAmazonのレビューに書き込むのだって「お金」をもらってるわけではない。
むしろレビューを書き込むごとに本の売上は伸びるという統計データもあるらしいから、私たちは自分の貴重な(?)時間を使ってAmazonや著者の金儲けの手伝いを「無料で」してることになる。
だがそれでも「書き込みたい!」と思うのは、「このレビューが参考になった」の快楽のためではないだろうか?
だが「たったひとつの方法」とは言っているが、「誰にでも」とは言っていないぶんだけ、かなり良心的だし誠実な自己啓発本なのでは?
「たったひとつの方法」を詳解することよりも、「誰でも成功できる神話」からの脱洗脳に重点が置かれているのだろう。
だから「たったひとつの方法」に期待して読み進めると「結論が弱い」印象になる。
多かれ少なかれ自己啓発に万能薬や劇薬を望んでしまうが、本著は「神話」の解毒のための本。
と思えば納得だし、内容もおもしろい。
ナポレンオン・ヒルから勝間和代までのカリスマ自己啓発人たちの罪は「誰でも」成功できると請け負ったところ。
が、橘玲氏が言ってるのは努力や教育、訓練では人は(ほぼ)変われないし、<努力すれば成功できる神話>を信じて泥沼に落ちるよりは、それに見切りをつけて「マックジョブ」に搾取される水際でなんとか自分の好きなことをお金にできないか、と試行する方がよっぽど現実的だと言っているのだと思う。
これまでは「ヘタの横好き」で作っていた自作の歌を多くの人に聞いてもらおうと思えば、自主制作ぐらいしかなかったし、制作費や流通費やらで大金が必要だったけど、いまはネットをうまく使えば、ほぼただで自分の歌を世に問うことができる。どうせダメもとならやらない手はない。万が一、それが「お金」にならなかったとしても、ほんの一握りでもその歌を「評価」してくれる人が見つかれば、それはお金に換えがたい「幸福」をもたらしてくれたりもする。
という理屈。
このAmazonのレビューに書き込むのだって「お金」をもらってるわけではない。
むしろレビューを書き込むごとに本の売上は伸びるという統計データもあるらしいから、私たちは自分の貴重な(?)時間を使ってAmazonや著者の金儲けの手伝いを「無料で」してることになる。
だがそれでも「書き込みたい!」と思うのは、「このレビューが参考になった」の快楽のためではないだろうか?