諸葛孔明の兵法 (現代人の古典シリーズ 22) の感想

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本書はいわゆる中間管理職の方を読者として想定しているらしく、随所に挟み込まれる著者の注釈もそうした立場の方に向けて書かれているようです。しかし、広く教養のための本として、本書は優れていると思います。

本書は大きく分けて
前半……諸葛孔明の生涯
後半……漢文を添えた孔明の兵法論
となっています。

前半部では関連する故事を交えつつ孔明の生涯が解説されていきます。後世のフィクションと史実との違いなどを含めわかりやすく解説されています。「七縦七擒」のように当方の勉強不足だった逸話も知ることができ、満足でした。
後半部は兵法論です。『孫子』を写経した身としては、孔明の兵法も孫子の影響が強いと感じました。六韜三略などと比較してみるのも面白いかもしれません。

どうも著者は「今どきの若い者は」的思考の方のようで、少々鼻に付く表現が無きにしもあらずというのが玉に瑕という感想も残りますが、よい本だと思います。