昆虫食入門 (平凡社新書) の感想

"面白いことに、『虫食』こそが人類の昔からの食生であり、『魚食』が始まったのはごく最近のことで、500万年をさかのぼらないという。"飽食から選食の時代に移りつつあるからこそ、究極の伝統食でありながら【未来食】でもある昆虫食の魅力を多面的に伝える本書は強い説得力を感じさせる‬。

個人的には、とは言え、最初にカラー写真で紹介される虫ミックスピザや虫寿司の"虫そのものの形＋食"には、あまりのインパクトからそっとページを閉じようとしたのも事実なのだけれど。めげずにアリストテレスやファーブル、第二次世界大戦時のエピソードの引用や、タイなどの東南アジアの食文化としての虫食紹介などを読みすすめていくうちに、不思議と健康食品として、食料資源として、あるいは食育教材として。【まずは採れたてのセミから】食べてみようか？と読後はミンミンと鳴き声をあげるセミを見る目が食材？と確かにじゅるりと変わったのを感じたり。(さすがに◯キブリは想像するだけで、無理だ。。)

いわゆる著者が言うところの"エンタメ食"としての虫食ではなく、多面的な伝統食、未来食としての魅力が知りたい誰か。あるいは虫食をススメたい誰かのアイテム本としてオススメ。