[真珠湾]の日 (文春文庫) の感想

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タイトル[真珠湾]の日 (文春文庫)
発売日販売日未定
製作者半藤 一利
販売元文藝春秋
JANコード9784167483128
カテゴリ歴史・地理 » 日本史 » 一般 » 日本史一般

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日本海軍の真珠湾攻撃と、同時に始まった日本陸軍の英領マレー進撃を中心に、その開戦の瞬間に関わった彼我様々の人物を編年体で描写し、その責任の所在を見つめていく好著。著者半藤一利の真価を発揮する、資料的にも重要な一冊である。

1940(昭和15)年9月23日、日本は北部仏印に進駐。27日には日独伊三国同盟締結。日本と英米は戦争が避けられない対立へと進んで行く。既に国民の多くは、開戦は避け難く、寧ろ戦うべきとの積極対米開戦の世論に傾いていた。新聞各紙は対米強硬を強く扇動し、国会議員達は、早期開戦へ政府の尻を叩いていた。

1941(昭和16)年6月22日、ナチスドイツはソ連に侵攻。7月2日御前会議にて、「帝國は大東亜共栄圏を建設し……支那事変処理に邁進し、自存自衛の基礎を確立するため、南方進出の歩をすすめ、また情勢の推移に応じ、北方問題を解決す」と、国家の戦争決意を公式決定した。しかし此れは、数日後には米側の知る所となった。日本の外交暗号は、1940年10月時点でアメリカ陸軍信号情報部(SIS)によって完全に解読されていたのである。

7月28日、日本は南部仏印に進駐。8月1日、アメリカは石油の対日輸出全面禁止で応じ、遂に対立は決定的になった。日本側は当時石油の大部分をアメリカからの輸入に依存しており、此れを境に低下して行く石油備蓄量に、軍部は危機感を通り越して恐怖し、強硬な戦争準備への姿勢を強める。

9月6日の御前会議で、中断していた対米交渉の再開が決定。海軍では真珠湾作戦の極秘研究と討議が活発化する。昭和天皇は開戦を憂慮し、東條英機首相に対し戦争回避への努力を命じ、連合艦隊司令長官山本五十六は、連合国相手の世界戦争に勝ち目がない事を悟り、有利な講和の為の唯一の手段として、真珠湾作戦を推進しつつも、ギリギリまでの日米交渉妥結に期待した。

日米交渉の争点を要約すると、
1.日独伊三国同盟の実質的空文化。
2.中国に於いて蒋介石政権を唯一とし、それ以外を認めず。
3.中国並びに仏印よりの撤兵。

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