北朝鮮急襲(上) (海外文庫) の感想

アマゾンで購入する

参照データ

タイトル北朝鮮急襲(上) (海外文庫)
発売日2019-11-02
製作者トム・クランシー
販売元扶桑社
JANコード9784594083144
カテゴリジャンル別 » 文学・評論 » 文芸作品 » 英米文学

購入者の感想

 同作者による昨年10月の「謀略の砂塵」から約1年。前作は、チェイス・ウィリアムズ海軍大将による新生オプセンター(国家危機管理センター)の立ち上げから、アメリカ合衆国対シリア、イラン、イラク、対アラブとの戦い、そして同盟国?サウジアラビアによる謀略へと発展する戦争シュミレーション小説でした。舞台はアメリカ、シリア、そしてサウジアラビアの砂漠。ヘリ・パイロット、サンディーが魅力的に描かれていました。あの映画のマーヴェリックのように"Feel The Need"を感じさせて。
 そして、そのサンディーも登場する「北朝鮮急襲(上・下) "Into The Fire"」(トム・クランシー;スティーヴ・ピチェニック 扶桑社BOOKSミステリー)を読みました。
 今回の敵は文字通り、北朝鮮。アメリカ海軍の沿岸域戦闘艦ミルウォーキーが黄海での韓国軍との掃海訓練演習の最中、北朝鮮軍のコルヴェット三隻が韓国・漢江と仁川沖に機雷を敷設しているとの情報を受信。そして北朝鮮のフリゲイト艦から攻撃を受け、結果、交戦状態に突入します。
 <ページ・ターナー>に仕上がっていることは間違いありませんね。読み切ることができましたから。特に上巻は、ミルウォーキーの女性艦長ビギロー側からの視点が読ませますが(前作のサンディー同様)、下巻に入るに従って、そのサスペンスはグンと落ちていきます。
 1968年の「プエブロ号事件」を現在の軍事テクノロジーで書き換えたかったのかもしれませんが、北朝鮮側の「急襲」に至る動機付けが希薄だと思います。海上での戦闘、地上での戦闘、そして取ってつけたような最後の戦闘へと続き、それらがシームレスにエキサイティングに繋がっているかと言えば、そうでもなかった。最も困難に思えたミッションがあっさりと描かれ過ぎて、ビギロー以外、本来の男たちのキャラも不在でした。
 「軍事情報小説」として興味深く読むことはできますが、1つのスリラーとしての完成度ということでは前作に劣ると言わざるを得ません。

あなたの感想と評価

コメント欄

関連商品の価格と中古

北朝鮮急襲(上) (海外文庫)

アマゾンで購入する
扶桑社から発売されたトム・クランシーの北朝鮮急襲(上) (海外文庫)(JAN:9784594083144)の感想と評価
2017 - copyright© みんこみゅ - アマゾン商品の感想と評価 all rights reserved.