人間の未来 AIの未来 の感想
参照データ
タイトル | 人間の未来 AIの未来 |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 山中 伸弥 |
販売元 | 講談社 |
JANコード | 9784062209724 |
カテゴリ | » 本 » ジャンル別 » ノンフィクション |
購入者の感想
山中先生と羽生という至高の組合せの対談集で一気読みしてしまった。勿論、iPS細胞や人工知能(AI)技術を使った将棋ソフトの話も出て来るのだが、全編"読み所"と言って良い内容で、将棋・囲碁で高いレベルの棋士同士が対局すると"美しい"棋譜が出来上がる様を想起させる素晴らしい対談集。お互いを尊敬し合っている姿も良く伝わって来た。
詳しい内容は書き切れないが、山中先生は独特のユーモア交じりで主に研究における発想法(ひらめき、勘)、失敗をチャンスと捉えて未知のものにチャレンジする精神、AI技術を使った医療診断及びゲノム編集(CRISPR-Cas9)とそれに絡む倫理問題を含む生化学研究の現状等を語る(勿論、発言は交互で章毎に片方が聞き役に回る事も多い)。一方、羽生は将棋ソフトの話に始まって、人間と将棋ソフトとの差を勘(大局観)と美意識だと語った後、山中先生と共に、今後、AIと人間とが共生して行く道を様々な観点から論じて読む者にAIの現状と今後の課題を易しく説明してくれる。本書のテーマからして、AIの専門家がコーディネーターとして必要な所を、羽生がその役目も果たしている点が凄い(NHKのAI特集番組に出演していたので、ある程度事前に知ってはいたが、AIや計算機のハードウェア・ソフトウェアに関する羽生の知識と理解能力には驚嘆した)。そして、読んでいて、お二人に共通点が多い事に自然と気付かされる。知識と経験とが十二分にありながら、時にはその知識を捨てて、未知なるものにチャレンジする飽くなき探求心である。
この他、AIと言うけれども、果たして「知能」とは何なのかという本質的問題、2045年問題に向けての今後の日本の教育のあり方、あるいは汎用人工知能(GAI)が2045年(頃)までに本当に出来るのか、といった話題が尽きない。知の巨人が共鳴し合って"美しい"棋譜を創り上げたという印象を受ける珠玉の対談集だと思った。
詳しい内容は書き切れないが、山中先生は独特のユーモア交じりで主に研究における発想法(ひらめき、勘)、失敗をチャンスと捉えて未知のものにチャレンジする精神、AI技術を使った医療診断及びゲノム編集(CRISPR-Cas9)とそれに絡む倫理問題を含む生化学研究の現状等を語る(勿論、発言は交互で章毎に片方が聞き役に回る事も多い)。一方、羽生は将棋ソフトの話に始まって、人間と将棋ソフトとの差を勘(大局観)と美意識だと語った後、山中先生と共に、今後、AIと人間とが共生して行く道を様々な観点から論じて読む者にAIの現状と今後の課題を易しく説明してくれる。本書のテーマからして、AIの専門家がコーディネーターとして必要な所を、羽生がその役目も果たしている点が凄い(NHKのAI特集番組に出演していたので、ある程度事前に知ってはいたが、AIや計算機のハードウェア・ソフトウェアに関する羽生の知識と理解能力には驚嘆した)。そして、読んでいて、お二人に共通点が多い事に自然と気付かされる。知識と経験とが十二分にありながら、時にはその知識を捨てて、未知なるものにチャレンジする飽くなき探求心である。
この他、AIと言うけれども、果たして「知能」とは何なのかという本質的問題、2045年問題に向けての今後の日本の教育のあり方、あるいは汎用人工知能(GAI)が2045年(頃)までに本当に出来るのか、といった話題が尽きない。知の巨人が共鳴し合って"美しい"棋譜を創り上げたという印象を受ける珠玉の対談集だと思った。