天人 深代惇郎と新聞の時代 の感想

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参照データ

タイトル天人 深代惇郎と新聞の時代
発売日販売日未定
製作者後藤 正治
販売元講談社
JANコード9784062191821
カテゴリジャンル別 » 社会・政治 » マスメディア » ジャーナリズム

購入者の感想

 深代惇郎氏が亡くなったのは昭和50年12月、私はまだ小学生でした。氏の没後、立て続けに『深代惇郎の天声人語』、『深代惇郎の続天声人語』、『エッセイ集』『青春日記』などが刊行され、家人が購入したものを中学、高校と折に触れて読み返し、後に朝日新聞社から文庫本で出版されたものを自分で買い求め、それは大学、社会人になっても続き、今でも私の本棚には氏の数少ない著作が揃えてあり、読み返しています。

 物事の本質を衝いた、それでいて抑制の利いたバランスの取れた文章。「朝日嫌い」の保守派ですら納得せざるを得ない論理的な構成。
 氏の文章を読む度に、決して古くならない、普遍的な本質のようなものを考えさせられています。

 この不世出のコラムニストを取り上げた後藤正治氏の『天人 深代惇郎と新聞の時代』を読むと、おそらく後藤氏は私以上に深代氏の書いたものに憧れ、あるいは影響を受け、どうしても氏を取り上げたかったに違いないと感じました。そして、深代氏と同時代に生きた新聞記者たちの著作や、面談によって「時代性」を探っておられます。
 深代氏と同世代、あるいは少し下の世代の方々から話を聞くことができるのは、今しかない(既に鬼籍に入っておられる方々も多い。)と思われ、本書は貴重なその時代の証言者から取材が行われており、貴重だと思う。

  現在、朝日新聞の慰安婦報道や原発報道を巡り、読売や産経など政権御用達の新聞社や、保守系雑誌で、呆れるほどの朝日批判が繰り広げられ、「廃刊」を声高に叫ぶ保守派の面々の寄稿が繰り返されています。
 
 後藤氏の本作品が雑誌に連載され始めた頃は、おそらくそのようなことは考えられなかったのでしょうが、期せずして深代惇郎という、朝日の伝説的名コラムニストを取り上げた作品が刊行され、このような狂信的メディアの「朝日叩き」や、政権へのすり寄りぶりを深代氏が天上から見て、どのようなコラムを書かれるであろうか想像を巡らしてしまう。

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講談社から発売された後藤 正治の天人 深代惇郎と新聞の時代(JAN:9784062191821)の感想と評価
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