呪詛抜きダイエット の感想

自分は母親にいじめられていたんだ、ということを気づき、受け入れることで呪詛（呪い）を説くエイコさん。

大量のお菓子を「食べきってやる」という「前向きさ」さえあった作者。なぜなのか。

それは自分が太るため、太るのはみじめでいるため、それは「母にいじめられているのではなく、自分はみじめな人間だからです」と自分に嘘をつき続けるため。。

母との関係を客観視することで、みじめな自分からも解放され、太ることを辞められるというお話です。

ＡＣ関係の話で、今まで誰も書いたことのない漫画だと思います。
母親との関係が、人格形成やその後の人生にまで影響を及ぼし、そこから解き放たれるための試行錯誤が描かれており、素晴らしいです。

自分の性分と思い込み苦しんでいることが、実は周囲から強要された都合の良いキャラクターだった。
自虐的な性格の人も読む価値があるのではと思いました。

webでアップされていた時から他人事とは思えない内容に釘付けになり、単行本が発売されてから即購入しました。
読んだ後に、自分がなぜ自己否定してしまうかを考えた。
自分が育った家庭の問題やそれに巻き込まれた子供の頃の事など、無意識に蓋をしていた記憶を思い出して自己否定してしまう理由が少しだけ分かった気がする。
自分がなぜ痩せられないか、自己嫌悪してしまうか、普通にできそうな事ができないのか、分からないままモヤモヤして苦しみながら一生を終えてしまう人も沢山いると思う。
作者はそうしたモヤモヤをそのままにせずに、様々な方法で果敢に治そうと試みる。その姿勢を見ているだけで「ああ人生ってもっと自分の思い通りに変えて生きていいんだな」と勇気をもらった。
自分にかけられた呪詛を直視して、人生を見直す機会になりました。