倭の五王 - 王位継承と五世紀の東アジア (中公新書) の感想
参照データ
タイトル | 倭の五王 - 王位継承と五世紀の東アジア (中公新書) |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 河内 春人 |
販売元 | 中央公論新社 |
JANコード | 9784121024701 |
カテゴリ | 歴史・地理 » 世界史 » アジア史 » 中国史 |
購入者の感想
一気に読んだ。古代史は、個々の研究者(や好事家)の関心範囲での情報が多くて、日本建国史の共通理解に向かわないのが素人にとっていちばんの不満。記紀は8世紀前半の国家高揚期、一強政治の時代に作られたもので、記述ぶりや記録のない時代を考えると、史実がベースと思える記述はせいぜい半世紀前まで。それ以前は具体的であればあるほどマユツバで、百済関係記事を含め編纂時代の事情や意図が感じられてしまう部分が多い。史実を求めるには、いったん記紀を離れて相互検証可能な文献と考古史料だけで整理してみる、というスタンスは常々待望していたもの。個別には、事実認定の根拠が不明で不満な部分もあるが、五王時代中心に前後の国際情勢までていねいに見せてもらって納得感が大きい。天皇が話題とされる今、多くの人に読んでもらいたい本だと思う。
古墳編年との関係まで論じて欲しかった。五王の「倭」を「姓」とする論はこれを読んでも違和感変わらず。
古墳編年との関係まで論じて欲しかった。五王の「倭」を「姓」とする論はこれを読んでも違和感変わらず。