昭和天皇 第三部 金融恐慌と血盟団事件 (文春文庫) の感想
参照データ
タイトル | 昭和天皇 第三部 金融恐慌と血盟団事件 (文春文庫) |
発売日 | 2012-02-10 |
製作者 | 福田 和也 |
販売元 | 文藝春秋 |
JANコード | 9784167593100 |
カテゴリ | 歴史・地理 » 日本史 » 一般 » 日本史一般 |
購入者の感想
作家が好きでその人の考えに同調する場合は読むべきだと思います。こういうのはいっぱいあります。児島譲先生の似た形式のものも多く読みました(面白かったです)福田先生の常々言ってることはクールでカッコイイので(石原慎太郎と小沢一郎が並べて好きなとこも、なんかわかります)こう言う作品でも非常に共感します。ちょっと前のこの感じだと、日本の無策、愚かさを責め立てる、というものも多いですしそういう昭和史も読みました。後に佐伯啓思先生がその文庫シリーズに怒っていましたが、知恵が無ければそのまま日本を責め立てている人間になってそうで怖いです。中学生の頃は小林よしのりの言うことそのままに、彼の論敵に怒ってました。大事なのは福田先生が正しい歴史観とかでなく(小林流、自虐史観!の大いなる逆の攻めたて)戦争には相手が居ると言うことで、日本はアホだったにしろ(福田先生も、昭和初期に原総理、加藤高明などが生きて居たら違っていたかも、と嘆いています)日本が勝手に暴走して自滅した的な言い方は違うだろうと。日本が幾ら、あやまちは繰り返さぬと言ったってアメリカは何の悔いも無く核を保持して、スーパーパワーを目指し続けていて、それにおんぶして平和してる国に、反省する資格もないし。あの時勝ってりゃ、日本が今のアメリカの立場にたってやらなけりゃならん、ということです。戦争はいけないことはわかるし、クソリアリズムがいかんこともわかるけど、とりあえず知恵付けるべきかと。福田先生はともかく頭が良いことが分かります。本当に精緻に作品世界を開いております。考えと作品の質は関係なく、読んだこと無いけども、日本最悪の戦争の道、みたいなのでもおもしろい切り口はあると思う。そう言えば村上春樹がそれ系で攻撃されてるけど、作品自体は面白いので気づきもしなかった。