ザ・ケルン・コンサート [SHM-CD] の感想

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参照データ

タイトルザ・ケルン・コンサート [SHM-CD]
発売日2011-07-20
アーティストキース・ジャレット
販売元ユニバーサル ミュージック クラシック
JANコード4988005651167
Disc 1 :ケルン、1975年1月24日 パートI
ケルン、1975年1月24日 パートIIa
ケルン、1975年1月24日 パートIIb
ケルン、1975年1月24日 パートIIc
カテゴリミュージック » ジャンル別 » ジャズ・フュージョン » モダンジャズ

購入者の感想

その日はスイス・チューリッヒからの長いドライブの後で、夕方にケルンに着いたキースはとても疲弊していた。何日間も睡眠不足が続き、背の痛みもピークに達して、矯正具を外せないでいた。
ケルンのオペラ会場に用意されるはずのピアノ「Boesendorfer 290 Imperial」(鍵盤が97ある大きなピアノ)が何かの手違いで届かず、リハーサル用に常置してある、チューニングに膨大な時間がかかりそうな古いピアノしか残っていなかった。それは笑いたくなるほどの小さな幅の薄い簡素なピアノだった。おまけに低音部が上手く出ず、足のペダルはまともに機能していない故障品だった。
キースは当日のコンサートをキャンセルできないか、18歳のドイツで最年少のコンサート主催者 Vera Brandes に直前まで検討してもらったが、チケットは全て売り切れており、演奏を強行することにした。

このコンサートの開始時間は23時30分。「オペラ会場でJAZZ」という当時初めての試みにチャレンジするためには、その日行われるオペラが終わるまで会場の使用が許されなかった。画期的なイベントで観衆を呼び込むため入場料はたったの4ドイツ・マルクに抑えられたプロジェクトだった。ほぼ夜中なのに1400の席は満席になった。

このCDを聞いて、オスティナートを何度も使うので音楽的に違和感を感じる人が多いと思いますが、それはピアノの調子が悪すぎて高音部は正確に音が出ないため、キースがわざわざ左手オスティナートで低音の補強を常に行い、右手で弾ける鍵盤だけで最良のメロディーを考え出し演奏したのです。

キースの声が気になるので嫌いと言う人も多いようですが、全ては彼がその場でベストと考えた演出です。一番高価で完全にメインテナンスされた楽器を演奏するだけが音楽表現ではありません。少なくともJAZZの精神はそうではありません。

普通のプロのピアニストであれば、会場での設定に飽きれてコンサートはキャンセルされたでしょう。非常に劣悪の環境の中で、それでも観衆に感動させる「誰にも真似のできない演奏」をしたキースのプロ意識に拍手したいです。

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