意識はいつ生まれるのか――脳の謎に挑む統合情報理論 の感想

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参照データ

タイトル意識はいつ生まれるのか――脳の謎に挑む統合情報理論
発売日販売日未定
製作者ジュリオ・トノーニ
販売元亜紀書房
JANコード9784750514505
カテゴリ » ジャンル別 » 科学・テクノロジー » 科学読み物

購入者の感想

意識・意思というものが現象に対する認知や思考であるとして、その対象と関係のない数多くの選択肢(レパートリー)を捨てることによって消去法的かつ生態化学反応としてもたらされるものであり、そのレパートリーは数百万年の人類(もしくは進化論的にそれよりも古い種族のものも含め)の経験によって先天的にもたらされるものと、母親の子宮以降の外部経験から形作られる後天的なものとに分けられる。
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さらにそれよりも大きな概念として、人間の大半の行動は小脳と基底核による無意識下のロジックであり、ロジック自体は大脳皮質と視床による意識がもたらすものである。
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この理解に基づけば、長年物議を醸しており決着が未だついていない人間の”自由意識”、”自由意思”というものは、遺伝的特質と外部環境によってその瞬間に一意に「決められる」ものであり、実はその瞬間において自由でも何でもないということになる。意識・意思をともなうと「人間が勘違いしている」ものについては、それが繰り返される内に無意識下のものとなり、更に後世に受け継がれていく。
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と書いてしまえば悲観的に聞こえるかもしれないが、意識・意思を司る大脳皮質・視床の能力(情報量と統合能力、すなわちレパートリー)自体は後天的にも増やすことが可能であり、歳をとってからも問題が無いということは、エリート主義に対する希望となる。
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さて、情報量とその統合度、すなわちレパートリーの複雑さ(カオス)が意識・意思をもたらすという原則に基づけば、人間同士のつながり、すなわちコミュニティや企業、宗教法人や国家などの社会的な情報ネットワークも意識・意思を持ち得るということになる。もっと言えば、Googleのような人間も含めた様々な機能・情報単位が一つのネットワークに繋がり、一定ではない処理を行うようなメタネットワークも同じように意識・意思を持ち得るということになる。
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