格差をなくせば子どもの学力は伸びる―驚きのフィンランド教育 の感想
参照データ
タイトル | 格差をなくせば子どもの学力は伸びる―驚きのフィンランド教育 |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 福田 誠治 |
販売元 | 亜紀書房 |
JANコード | 9784750507101 |
カテゴリ | ジャンル別 » 人文・思想 » 教育学 » 一般 |
購入者の感想
国際学力テストPISAで世界一となったフィンランドの教育について、著者が実際に現地の小中学校で取材した授業の様子が、写真付きで具体的に詳しく載っています。大変興味深く面白いです。
しかし、その楽しい気持ちは、最終章に至って、暗澹たる気持ちに変わりました。
最終章では、翻って日本の「ゆとり教育」がなぜ失敗したか、日本の戦後教育の歴史から振り返っています。暗澹たる気持ちになった理由は、日本とフィンランドの教育が、その価値観からして既に遠く隔たってしまっており、もはや単に参考にできるというレベルではないことが分かったからです。
私たち日本人は既に、「知識の一方的詰め込み」教育によって、それ相応の価値観を植えつけられています。そういう私たちがマスコミの「学力低下」のニュースを聞くと、「ゆとり教育のせいだ、授業時間を増やさなくては」としか考えられないのです。しかし問題はそこではなく、教育観なのです。
「自ら学ぶ子どもを支援する」ことを役割とし「知識を獲得する方法」を学ばせるフィンランドの教師と、「全国一律の知識(教科書)をトップダウンで教え込む」ことを役割とする日本の教師。
「それぞれ到達点の異なるいろいろな子どもがいることを前提に、それぞれが不利な扱いを受けない」ことが「格差のない平等な教育」であるとするフィンランドと、「全ての子どもの教育の最終結果を同一にする」ことを「格差のない平等な教育」であるとする日本。
日本が今の教育を転換するのはいやはや容易なことではありません。教師だけでなく国家の思想、私たち国民の思想が根本的に変わらなければならないし、それにはどれくらいかかることでしょうか。
教育にかかわる人だけでなく、全ての人が読むべき本だと思います。
しかし、その楽しい気持ちは、最終章に至って、暗澹たる気持ちに変わりました。
最終章では、翻って日本の「ゆとり教育」がなぜ失敗したか、日本の戦後教育の歴史から振り返っています。暗澹たる気持ちになった理由は、日本とフィンランドの教育が、その価値観からして既に遠く隔たってしまっており、もはや単に参考にできるというレベルではないことが分かったからです。
私たち日本人は既に、「知識の一方的詰め込み」教育によって、それ相応の価値観を植えつけられています。そういう私たちがマスコミの「学力低下」のニュースを聞くと、「ゆとり教育のせいだ、授業時間を増やさなくては」としか考えられないのです。しかし問題はそこではなく、教育観なのです。
「自ら学ぶ子どもを支援する」ことを役割とし「知識を獲得する方法」を学ばせるフィンランドの教師と、「全国一律の知識(教科書)をトップダウンで教え込む」ことを役割とする日本の教師。
「それぞれ到達点の異なるいろいろな子どもがいることを前提に、それぞれが不利な扱いを受けない」ことが「格差のない平等な教育」であるとするフィンランドと、「全ての子どもの教育の最終結果を同一にする」ことを「格差のない平等な教育」であるとする日本。
日本が今の教育を転換するのはいやはや容易なことではありません。教師だけでなく国家の思想、私たち国民の思想が根本的に変わらなければならないし、それにはどれくらいかかることでしょうか。
教育にかかわる人だけでなく、全ての人が読むべき本だと思います。