酔へば大将 ~酒とエッセイ~ 戦前篇 の感想

全２２曲、楽しく聴かせていただいた。
二村定一の「スタインソング」に始まり、藤山一郎の「ビア樽ポルカ」に終わる、戦前の、「酒の歌」コレクションである。
たいへん良かった点
●軍国、銃後歌謡オムニバスが続いたので、今後はずっとその路線なのかと心配していたが、普通の戦前歌謡曲集が出て大変うれしい。
●「エロ」の第二集も出してほしいし、「浅草」に続く、「銀座」「新宿」も出してほしいが、「テーマ」路線も引き続きお願いしたい。「海水浴の歌」「金の歌」「花の歌」「身体各部の歌」などどうだろう？
良かった点
●全曲よかった。つまらない曲はない。何度も楽しめそうだ。
●「酒の歌」という、比較的レコードの多い領域で、２２曲という比較的少ない曲集なので、
厳選された曲が揃った感がある。音質もおおむね良好で、うんざりするようなノイズレコードはない。（「酒場天国」辺りはノイズ多いが、許容範囲内）
●おおむね一流どころ、有名どころが揃い、安心して聴ける。
●ライナーの曲目解説は簡潔的確である。
ちょっと残念な点
●女性歌手の歌が非常に少なく、男の歌ばかりになってしまった。（しかたない）
●安定しすぎていて、無名性、意外性が乏しい（しかたない）
残念な点
●エッセイは４本とも詰まらなかった。戦前と何の関係もない。パンフの貴重なスペースをこういうもので埋めないでほしい。
大変残念な点
●ＣＤの制作は「夢、ロマン、哀愁」を売る商売と思うので、編集後記に、以前飲酒運転をしていたが、もう時効だ、というような話は書かないでほしい。