大大阪ジャズ の感想

「モダン大阪」のひき文句に釣られて買ってしまったが、曲名リストを見て、ちょっと萎えた。だが、安くない買い物なので、ブロードウェイから京マチ子まで全部聞いた。一枚目は大阪と関係ない外国の曲ばかり。音は相当に悪いし、器楽演奏は、外国のオリジナルに及ばないので、一度は我慢して聞いても、二度目を聞く気にはなれない。歌はヘレン広瀬という無名歌手の怪しげな歌いっぷりが面白い。井上起久子の出番が多いが、騒がしい感じがして、好きでない。二枚目は一応大阪関連の歌がそろっている。音は一枚目よりは良いが、器楽演奏はやっぱり悪く、ジャンクレコードに近い。大阪関連の行進曲その他は、大阪人はうれしいだろうが、部外者は東京のほうがいい。天野喜久代はさすがで、二村定一はもう勘弁してほしいという感じ。楠木繁夫は聞きやすく、川田定子の歌いっぷりは面白い。最後から三番目に笠置シズ子のデビュー曲を出し、最後に京マチ子司会の松竹春踊りを出して、年配男性の心をくすぐる所は、営業政策として、「良い出来」だ。