半年だけ働く。 の感想

フワフワした夢物語や理想論ではなく、かなり具体的で実践的な独立のススメです。しかも、起業ではなくフリーランスに特化しているのが特徴的です。あまり、類書が無いように思います。実際に独立するかどうかは別にしても、本書を読んで働き方（および、生き方）の選択肢を増やすことは、特に20代くらいの若手社会人にお勧めしたいところです。
敢えて一点、気になるポイントをあげると、やはりフリーランスになることのリスクの部分です。特に「健康を損なった場合のリスクの大きさ」については、発生する頻度の高さも含めて過小評価しているのではないか、という印象があります。著者がこれまで大病を患うことなく健康に過ごしてこれたのが、当たり前ことなのか、幸運のたまものなのかは判断しかねるところなのですが、私のリスク許容度では受け取れないなぁ、と思いました。また、収録されている、貯金金額の推移グラフが非常にリアルなのですが、それを眺めながら、私自身は「そんなスレスレだと安心できないタイプ」なのだ、ということも分かりました。
未来ある若者の皆様にお勧めしたい一冊ではありますが、一方で、読んだ後に「自分の頭で考えて選択する」ことも、強くお勧めしたいと思います。「この本に書いてあるからフリーランスになった」は、自分の頭で考えていることにはならないんですよね。（サラリーマンを継続することも、極めて重要な才能だと思う次第です）