カイシャ維新　変革期の資本主義の教科書 の感想

企業再生の現場で生身の人間と対峙し、数々の修羅場を経験した著者でなければ書けない、本当の経営書。経営のリアルな現場から本質的な問題を見出し、最新の理論（本書にはノーベル賞級の理論が頻出する）から歴史の教訓まで、先達の叡智を貪欲に活用して解釈を試み、最良の処方箋を見出そうとする姿勢は本書を通して貫かれている。「目の前で起きていることをイデオロギーのフィルターを介さずに、ありのままに見つめる（本書あとがきより抜粋）」本書には、欧米のパターン化された理論の権威を唯一のよりどころとした、数多の経済・経営書にはない、本当の知恵がある。