スペンド・シフト ― <希望>をもたらす消費 ― の感想
参照データ
タイトル | スペンド・シフト ― <希望>をもたらす消費 ― |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | ジョン・ガーズマ |
販売元 | プレジデント社 |
JANコード | 9784833419666 |
カテゴリ | ジャンル別 » ビジネス・経済 » 経済学・経済事情 » 経済学 |
購入者の感想
リーマンショック以後のアメリカにおける様々な事例を通じて、アメリカの消費者の購買活動がどのように変化しているのかを解説した書籍。
消費者は消費を投票行動のように行うという、ある意味、素晴らしい時代が来ていると感じるが、この内容がアメリカのどの程度の割合の世界なのかが気になるところ。そういう意味で★3つにしました。
消費者は消費を投票行動のように行うという、ある意味、素晴らしい時代が来ていると感じるが、この内容がアメリカのどの程度の割合の世界なのかが気になるところ。そういう意味で★3つにしました。
読み方の難しい本。
20年来の享楽的な繁栄の後、変化した消費の実態を総論ではなく具体的な人物名をあげてリアルに描く。
底流に流れているのは、衒示的消費をやめ自分で価値を判断する賢明な消費が始まっており、これは歴史的潮流だ、というもの。
曰く、決して不動産バブルがはじけて貧乏になったからしょうがなく倹約をしているわけではない、絶対に!
リーマンショックが景気をぶち壊す前の2008年中盤には賢明な消費者は世界の流れを察知しすでに倹約熱が高まっていた!とあるが、明らかに理屈がねじれている。
実際は、住宅価格が上がらなくなりホームエクイティローンで現金を引き出すことが出来なくなり消費が壊滅したという因果があり、消費の減退とリーマンショックは不動産市場の壊滅という同じ原因によって引き起こされているだけ。
ドルを金に交換することが出来なくなったニクソンショックから、ドルの減価を各国に頼み込んだプラザ合意まで、実態は当事者能力を失っているのにあたかも変化の主導権をとっているかのように振舞う伝統芸能がここでも脈々と息づいている。
だが、LTCM破綻のときに大喜びした榊原英資のように、また理屈こねるだけうまくて実態は空っぽじゃないか、と切って捨てるのは正直惜しいだけの価値をこの本は持っていると思う。
フォードがユーザーと等身大のコミュニケーションをすることによりよりよい製品を生み出している様や、ウォルマートがモラルのない殲滅戦のような安売りをするブラックボックス企業から脱皮していこうとする様にはうならざるを得ない。
理屈の倒錯には目をつぶり、ケーススタディ本として読むのが正解か。
20年来の享楽的な繁栄の後、変化した消費の実態を総論ではなく具体的な人物名をあげてリアルに描く。
底流に流れているのは、衒示的消費をやめ自分で価値を判断する賢明な消費が始まっており、これは歴史的潮流だ、というもの。
曰く、決して不動産バブルがはじけて貧乏になったからしょうがなく倹約をしているわけではない、絶対に!
リーマンショックが景気をぶち壊す前の2008年中盤には賢明な消費者は世界の流れを察知しすでに倹約熱が高まっていた!とあるが、明らかに理屈がねじれている。
実際は、住宅価格が上がらなくなりホームエクイティローンで現金を引き出すことが出来なくなり消費が壊滅したという因果があり、消費の減退とリーマンショックは不動産市場の壊滅という同じ原因によって引き起こされているだけ。
ドルを金に交換することが出来なくなったニクソンショックから、ドルの減価を各国に頼み込んだプラザ合意まで、実態は当事者能力を失っているのにあたかも変化の主導権をとっているかのように振舞う伝統芸能がここでも脈々と息づいている。
だが、LTCM破綻のときに大喜びした榊原英資のように、また理屈こねるだけうまくて実態は空っぽじゃないか、と切って捨てるのは正直惜しいだけの価値をこの本は持っていると思う。
フォードがユーザーと等身大のコミュニケーションをすることによりよりよい製品を生み出している様や、ウォルマートがモラルのない殲滅戦のような安売りをするブラックボックス企業から脱皮していこうとする様にはうならざるを得ない。
理屈の倒錯には目をつぶり、ケーススタディ本として読むのが正解か。