モーツァルト 天才の秘密 (文春新書) の感想
参照データ
タイトル | モーツァルト 天才の秘密 (文春新書) |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 中野 雄 |
販売元 | 文藝春秋 |
JANコード | 9784166604876 |
カテゴリ | エンターテイメント » 音楽 » 音楽理論・音楽論 » 音楽史 |
購入者の感想
内容豊富ながら読みやすく、一般読者向けの評伝としては素晴らしい本だと思います。 やたらモーツァルトを天才視するのではなく、ケッヒェル番号130番くらいまでの作品の価値はやはりこの年齢にしてーという点ですごいのである、とか、天才であっても親の完全な庇護の元で暮らしてきた彼がパリで遭遇してしまう現実世界の厳しさなど、この天才もやはり一個の人間なんだ−と、いい意味でモーツァルトをもっと身近な存在に感じさせてくれる記述が多いです。
彼の才能はいかにしてはぐくまれていったのか、しぶとい父親レオポルドや石頭コロレド大司教との確執、また、彼の挫折と焦燥感とは? 宮廷職人に過ぎなかった音楽家という職業の範疇をはからずもはみ出してしまった彼が切り開いた新たな芸術の地平−などなど、当時の社会情勢・音楽家のあり方などから迫っていく視点の鋭さが見事だと思います。 また、ウィーンでは大した成功とはいえなかった“フィガロの結婚”や“ドン・ジョヴァンニ”が、さほど離れているともいえないプラハでは大成功したのは何故なのか?という疑問にも答えてくれていて、なるほど、と思いました。 推薦版CDも豊富に紹介されていて、これはモーツァルト初心者にとってもすばらしい一冊です。 断然お薦めです。
彼の才能はいかにしてはぐくまれていったのか、しぶとい父親レオポルドや石頭コロレド大司教との確執、また、彼の挫折と焦燥感とは? 宮廷職人に過ぎなかった音楽家という職業の範疇をはからずもはみ出してしまった彼が切り開いた新たな芸術の地平−などなど、当時の社会情勢・音楽家のあり方などから迫っていく視点の鋭さが見事だと思います。 また、ウィーンでは大した成功とはいえなかった“フィガロの結婚”や“ドン・ジョヴァンニ”が、さほど離れているともいえないプラハでは大成功したのは何故なのか?という疑問にも答えてくれていて、なるほど、と思いました。 推薦版CDも豊富に紹介されていて、これはモーツァルト初心者にとってもすばらしい一冊です。 断然お薦めです。