通訳日記 ザックジャパン1397日の記録 (Sports Graphic Number PLUS) の感想

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タイトル通訳日記 ザックジャパン1397日の記録 (Sports Graphic Number PLUS)
発売日販売日未定
製作者矢野大輔
販売元文藝春秋
JANコード9784160082045
カテゴリ » ジャンル別 » 語学・辞事典・年鑑 » 通訳

購入者の感想

1397日と、四年間に及ぶザッケローニ監督下の代表サッカーの道中は余りに劇的で、そして、最後は失望の中、興奮の余韻とともに静かに収束していったように思います。誰もが代表のサッカーに望むことはチームの勝利であり、最初に設定した最終目標として、ワ−ルドカップでの成果を果たせなかったという点でザッケローニ監督は任務を全うできなかった、ということになります。
そういう意味でザッケローニ監督は岡田監督と対照的だと言えるかもしれません。岡田監督の勇退後、就任当時、イタリア人監督ということで守備的な戦術になるのかと僕は思っていました。しかし、それはサッカーの潮流と日本人の気質とを理解し、ポゼッションを基調とした攻めのサッカーであり、勿論相手によってカウンター重視等の策を取りましたが、監督に寄る自チームと相手チームの分析が卓越していたためにそれら戦術が見事に嵌まっていたように思います。アルゼンチン戦や遠征でのフランス戦等では特にそのことを意識させられたし、アジアカップで交代選手達が次々活躍するというのも、選手のコンディションや戦況を見る目が卓越していたことによるものだと思います(皮肉にも、最後のW杯では日本チームの個性を出す事を主軸に、信頼を寄せ続けたプレイヤーに信じて使いつづけたことが敗因となってしまいましたが)。試合を通じチームプレイの中で選手個人の成長の意義を説き、選手に欧州への進路を指し示したその功績は忘れてはいけないと思います。個人的に、ザッケローニ監督のサッカーは本当に興奮の連続で、上手く嵌まればどのチームにも勝つ事が出来るのではないかと、観戦の喜びをくれたように思います。

この「通訳日記」は、ザッケローニ監督を最も近くで支えた矢野大輔さんの視点から代表での記憶を克明に記録しています。彼の日記を通し、我々は代表の記憶をなぞり、また個人の興奮を思い返す事が出来る。就任後初の試合はホームにメッシ率いるアルゼンチンを迎えての試合でしたが、歴史的勝利を遂げたこの試合からアジアカップ、コンフェデレーションカップ(ブラジル・イタリア・メキシコ)、欧州遠征(イタリア・ベルギー)、ワールドカップと、テレビ画面越しに見た試合の、その内実、詳細な裏側が語られます。読んでいて、酷く胸が熱くなる事がいくつかありました。

1分2敗。誰もが失望した6月。私もその1人だった。この本を手に取るまでは。あくまで日記。されど日記。だが、ザック就任から退任までのストーリーが鮮明にイメージできる1冊。矢野さんのパーソナリティも文脈から信頼できるもので、実に味わい深い。通勤の電車内、昼休み、ほんのわずかな隙間時間を見つけては没頭した。その結果、27日に購入し28日に読み終えた。この4年が正しかったとは思わない。だが間違っていたとも思えない。この本に出会えて本当によかったと思う。幸せな2日間だった。録画している試合をまた見直そうと思う。わかりやすく言うならば2002年トルシエジャパンの「6月の勝利の歌を忘れない」のテキスト版。家族についての言及も微笑ましかった。いつか息子にもこの時代の日本代表を伝えたいと思えた1冊です。

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