魔法少女育成計画 16人の日常 (このライトノベルがすごい! 文庫) の感想

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参照データ

タイトル魔法少女育成計画 16人の日常 (このライトノベルがすごい! 文庫)
発売日販売日未定
製作者遠藤 浅蜊
販売元宝島社
JANコード9784800263698
カテゴリ » ジャンル別 » コミック・ラノベ・BL » ライトノベル

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魔法少女育成計画に登場する16人の魔法少女たちの素顔や日常を描いた短編集。なんと人が死にません!やったね!
薄いですがどの魔法少女のファンでも楽しめる充実の一冊になってます。
本編の三割増テンションが振り切れたトップスピードの大暴走に振り回されるリップルとマジカロイド44の受難、身から出た錆でマフィアの抗争に巻き込まれ危機一髪のピーキーエンジェルズなど、意外なコンビのほのぼのからアクション、ラブコメからピカレスクに至るまで(?)網羅してます。
特に気に入ったのはナナとヴェスインタープリズンの出会いを収録した「サークルの王子様」とたまの学校生活を第三者視点から見た「たまにはこんなことも」。
ラブラブ百合バカップルのナナとヴェスインタープリズンが最初は犬猿の仲(というかナナが一方的に敵視してた)事実にまず驚く。
オタサーの姫としてふるまうちょっと残念なナナがヴェスインタープリズンを一方的にライバル視して、すれ違い空回る温度差が生み出すコミカルな掛け合いが秀逸。本編ではナナの方がヴェスインタープリズンに依存してるように見えますが、ヴェスインタープリズンの矢印の大きさを再認識してビックリ。
「たまにはこんなことも」は、たまの同級生視点。
なにをやらせてもダメダメな奴だとたまを見下していた少女が、たまの意外な一面を知って徐々に変化していく様子が綴られています。
魔法少女の力を得、仲間との交流を通し少しだけ自信を持ち、周囲に積極的に働きかける事を覚えたたま。
持ち前のひたむきさと隠れた特技で同級生を見直させ心をほぐし、じれったく距離を縮めていく過程に心温まる。
親心で見守っていた読者にとってはたまの成長が感じられ微笑ましい。不器用に育まれていく友情、初々しい青春の1ページに自然とたまを応援したくなり、これからの二人はどうなるんだろうと想像を膨らませてしまいます。続かないんですけどね……

魔法少女になって失ったものだけじゃない。
得たものもたしかにあった。

どの魔法少女も泣いて笑って空回って上滑り実を結び、挫折し妥協し絶望し奮起し這い上がり、それぞれのかけがえのない人生を目一杯に生きていた。

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