砂の女 (新潮文庫) の感想

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参照データ

タイトル砂の女 (新潮文庫)
発売日販売日未定
製作者安部 公房
販売元新潮社
JANコード9784101121154
カテゴリ文学・評論 » 文芸作品 » 日本文学 » あ行の著者

購入者の感想

安部公房の不条理が満載の作品です。
この作品のモデルになったといわれる砂浜(山形県某市)へ
作品を読む前に行ったことがあり、
より作品のリアリティや怖さを感じることができました。
始まりも終わりも不条理まみれです。

20年以上ボロボロになるまで繰り返し読んだ特別の作品です。内容はすっかり覚えてるのにそれでも読みたくなるこの心境を伝えるのは難しい。

砂に埋もれた集落、一般社会から切り離されたこの世界に迷い込んだ男は砂に囲まれ囚われの身となり日々脱出を夢見て砂と格闘する。一緒に暮らすのは砂しか知らない孤独で無知な女。

安部さんの作品は解釈を考え込むと難解な所が多いと思いますが、私はそんな事無視、ただ単に面白くて独特の世界に惹き込まれる感覚がクセになってるんです。

この「砂の女」は映画化もされ、安部公房の作品の中ではもっとも有名(ポピュラー)な小説だろう。
優れた作品はジャンルを越えて「文学」に近づくと私は感じているが、この作品も文学と捉えられている事が多いと思う。

安部公房は海外でも多数翻訳され評価の高い作家だが、日本ではSF小説に分類されることもある。
自分が安部公房を知ったのも、SF関係のレビューからだった。
文学だから小難しいのでは?と敬遠している方がいたら。そんなことは無い大丈夫と教えてあげたい。

すり鉢状の砂底に棲む女の家、昆虫の採集に砂丘を訪れた男は薦められて一晩の宿を取るが、その砂底の家から脱出することが出来なくなってしまう。
来る日も来る日も、砂を掻き出す作業に追われ、砂に埋もれる家で脱出しようとあがきながら暮らす男。
その砂の質感、ざらざらとした細かい砂に侵食される執拗とした描写が実に見事で自身の肌に貼りつく砂を感じさせられながら一気に読了した。

まるでその場に自身がいるかの如き体感をさせてくれる、この筆力があってこそ、の作品だと思う。
難しく考えず、唯の娯楽作品と思って手にとっても十分読書に耐える。読んでみて欲しい本。

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