ヴィヨンの妻 (新潮文庫) の感想

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参照データ

タイトルヴィヨンの妻 (新潮文庫)
発売日販売日未定
製作者太宰 治
販売元新潮社
JANコード9784101006031
カテゴリ »  » ジャンル別 » 文学・評論

購入者の感想

なぜ”ヴィヨンの妻”となったかを考えて読むと最高に奥深い内容で読み答えがあると思います。

この本は、「親友交歓」「トカトントン」「父」「母」「ヴィヨンの妻」「おさん」「家庭の幸福」「桜桃」と、終戦後に書かれた8編の短編から成っています。
従って、死の直前の3年間の作品群と言うことで、彼の死が予感される作品が多くなっています。
ただ、それだけではなく、非常にユーモアに富んだ作品も多く含まれています。

表題作の「ヴィヨンの妻」は、その素晴らしい表現力によって、夫妻の微妙な心情の動きが見事に表現されています。
どうしようもないところまで精神的に追い詰められている夫の弱さと、どうしようもない家庭状況にも平然と立ち向か妻の強さが、非常に対照的に描かれています。
妻の突飛な思いつきによる生活の変化が、この夫婦の生活を一変させてくれればいいなあと思います。
そう思わせるのが太宰の作品なのでしょう。

「家庭の幸福」は、官僚について書かれた作品ですが、実に皮肉でユーモアに富んだ作品になっています。
先日の衆院選で民主党が官僚支配の打破を訴えていましたが、太宰はすでに作品で官僚批判をしています。

太宰作品については、「暗い」と言うイメージが強かったのですが、今回この短編集を読んでみて、そればかりではないと言うことを実感しました。

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