ルネサンスの女たち (新潮文庫) の感想

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参照データ

タイトルルネサンスの女たち (新潮文庫)
発売日2012-07-28
製作者塩野 七生
販売元新潮社
JANコード9784101181417
カテゴリ » ジャンル別 » 文学・評論 » 歴史・時代小説

購入者の感想

この本を手にしたのは、中田耕治氏の「ルクレツイア・ボルジア」を読んだ後、塩野作品としては「チェーザレ~」に続いてだった。中田氏の男性から見たルクレツイア像が、あまりに生々しく女性の淫乱さを指摘している<動>の部分であったのに対し、塩野氏の描いたルクレツイアは、女性だからこそ理解できる悲しさ・精神世界が広がっている<静>の部分が繊細に描かれていた。男性と女性では、こうまでも歴史上の人物とはいえ見解が異なるものなのか、と塩野ルクレツイアに救われたような思いだった。ボルジア家という数奇な家系に生まれ、時代に翻弄された女性の生涯はあまりにはかなく悲しい。また、片やミラノの女傑カテリーナ・スフォルツアは、自分の城を守るために剣を持ちチェーザレ・ボルジアと闘った勇ましい女性だ。女性はとかく歴史の裏側に埋もれがちで、光が当たることは少ない。塩野氏はそんな女性に最大限のスポットを当て、ルネッサンス期の女たちの生涯を生き生きと描き、私たちに知らせてくれた女性ならではの感性の光る1冊。

塩野七生女史の、記念すべき第一作目。書いた理由は………本書メイキングを見てビックリしてください(笑)
ルネサンス時代を生き抜いた四人の女性たちの生涯を、淡々と綴るホン作品、ルクレツィア・ボルジア、イザベラ・デステ、カテリーナ・スフォルツァの三人は、第二作の「チェーザレ・ボルジア、あるいは優雅なる冷酷」の内容にも大きく関わってきます。既読の方、もしくはこれから読むという方は要チェック。
同じ時代を、ある者は流されるままに生き、ある者は流されまいと生き、それでも流される者もいれば、自らの意思で流されていく者もいる。
女たちが生きた、ルネサンスという時代を感じるのにもよい本です。
歴史書ではないけれど、小説とも言えない独特の文体は、今に比べると荒削りな部分も目立つものの、この頃からしっかり根付いていたようです。
初版本の帯に付いていたという文芸評論家のコメントの一部、
「この種のエッセーは、文学、歴史両方の領域から継子扱いされている」
…本書メイキングで塩野女史は、「歴史」と「文学」の間を自由に駆け回っているのがいい、と語っています。
ルネサンスを生きた女たちさながらに、著者自身の生き方もカッコイイのです。

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