血の轍(1) (ビッグコミックス) の感想

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参照データ

タイトル血の轍(1) (ビッグコミックス)
発売日2017-09-08
製作者押見修造
販売元小学館
JANコード登録されていません
カテゴリ » ジャンル別 » コミック・ラノベ・BL » コミック

購入者の感想

書店でタイトルが気になってはいたものの、押見作品を読むのは初めてだ。
毒親、というフレーズと表紙の妙なリアル感に惹かれて購入した。

確かに他のレビュー通り、リアルで濃密に描かれた日常の端々に不穏さを感じる。
その端々に残る違和感が終盤に形となって現れる。

しかし、こんなに穏やかそうに見える日常を描いているだけで心をざわつかせることができるのか。
そこでふと気づいた。
この作品、情景や登場人物の心情といったナレーション的な言葉が一切無いのだ。
映像だったら恐らくBGMも全く無いのだろう。
読者はただただ妙にリアルな人々のやりとりをじっと眺めているだけ。
冒頭の主人公の夢やタイトルから、何かしら起こるのではないかと推測しながら淡々と過ぎる時間を眺める。
そして登場人物たちの一挙手一投足を捉えることから逃れられなくなっていく。
これがこの作者のスタイルなのかこの作品のスタイルなのかは知らないのだが、実に巧妙だ。

とにかくこの先が気になる。

気になると言えば。
過保護とも見える静子だが、何故用意する食事がいつも「炭水化物の中に具が入ったもの」のみなのか。
そういう母親は食事の面でもバランスを細かく考えているイメージがあって、ものすごい違和感を感じる。
謎は深まるばかり。

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