子どもにお金をかけるのは、やめなさい の感想

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著者はファイナンシャルプランナー。
赤字家計を再生させるコンサルタントに定評があります。

本書のテーマは、題意にストレートに表されています。

著者は家計再生の業務に携わっている都合上、
お金の危機感から子どもを持つのをあきらめる家庭を数多く目にしてきました。

また世の中には、子どもは「生活に余裕がある人だけが持つことを許される存在」、
子育ては「高級な趣味」といった風潮があるのも、ひとつの現実です…

著者はそういった状況に激しい異和感を抱き、子育てとお金の相関性を説きます。

その結論は至ってシンプル。
お金の問題は「何とかなる」もの、だと続けます。

実際 著者には５人の娘がいて、子育てに対するその持論は、強力に実証されています。

子どもを「負債」のように捉え、
「払う」ことや「損する」ことばかりに気が向きがちな傾向を指摘します。

しかし、そこから「もらう」ことや「得する」ことも実は多い。
そんな実例を、本書ではいくつも紹介してくれます。

この視点の切り換えによって得られることこそが、実は最大の功績なのではないか…
それは、自分の人生のすべてを子どもに捧げるのではなく、同時に自分の人生も大切にできるということ。

そして、「人生の主役は誰にとっても自分自身である」、とも著者は念を押します。

損得勘定で子育てを論じることの無意味さを実感できたときこそ、
著者の提唱する、「豊かな子育て」への第１歩を踏み出すきっかけになるかも知れません。0