コウノトリの道 (創元推理文庫) の感想

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参照データ

タイトルコウノトリの道 (創元推理文庫)
発売日販売日未定
製作者ジャン=クリストフ グランジェ
販売元東京創元社
JANコード9784488214067
カテゴリジャンル別 » 文学・評論 » 文芸作品 » フランス文学

購入者の感想

 主人公ルイは最近博士号を取得した31歳の青年。

両親を亡くし、母の親友だった弁護士夫妻の援助の元、何不自由なく勉学にうちこんで来

た。

ルイの心のうちは微妙に虚しいものであった。なにか命を燃やすような体験を心の底

では望んでいたのだった。

 そんな時、ある仕事が持ちかけられる。

コウノトリの消息を追う仕事だった。ヨーロッパからアフリカ、渡りの途中で忽然と消え

たコウノトリの一軍--その消息を辿るのがルイへ与えられた仕事だった。依頼主は養母の

古くからの知り合いの鳥類研究家だった。

ルイはその頼みを承諾し、再び依頼主を訪ねるが鳥類研究家は自宅付近で無惨な遺体で見

つかった。コウノトリの巣の上で、遺体はすでに鳥たちについばまれ惨たらしい状態とな

っていた。

彼の心臓は移植手術されたものだったが、彼がそのような医療行為を受けた記録はどこに

も残っていなかった。そして、その移植された心臓には意味不明の赤いキャップが取りつ

けてあった…

自宅からは彼が中央アフリカにいたころ手に入れたであろうおぞましい写真が見つかる。

ルイは亡き依頼主から依頼された調査を実行することを決意する。

東欧、西アジア、アフリカ…ルイの行く先々で奇妙な殺人が繰り広げられる。

コウノトリはどこへ? 殺された遺体に共通する傷跡の意味は?

目まぐるしく展開していくストーリーにぐいぐい引き込まれていく。最初主人公であるルイのキャラクターがいまひとつぼう洋と掴めない物足りなさを感じたが、後半、それは物語の重要な要素となっていたことがわかってくる。忽然と消えたコウノトリ、心臓手術、奇妙な殺人、ルイの生い立ち…次々と符合していく事実に息をのみながら一気に読了した。冒険、ロマンス、スプラッターホラー…盛りだくさんの一冊。

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