烏に単は似合わない  八咫烏シリーズ 1 (文春文庫) の感想

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参照データ

タイトル烏に単は似合わない  八咫烏シリーズ 1 (文春文庫)
発売日2014-06-10
製作者阿部 智里
販売元文藝春秋
JANコード9784167901189
カテゴリ » ジャンル別 » 文学・評論 » SF・ホラー・ファンタジー

購入者の感想

つい先日、北村薫先生の講演会に出かけました。
北村先生と言えば、この作品の最終選考にも携わった方。
期せずして講演の内容が『烏に~』の選考時の話に移ったので、なぜこれが選ばれたのか、常々疑問だった私は納得できる答えを求めて真剣に耳を傾けました。
ですが……話をうかがってがっかり。

『烏に単は~』は最終選考で評価が低かった。
「作者は北村先生の母校(早稲田)の学生さんですが、どう思いますか?」と話を振られたので、「私は母校で小説の書き方を教えていますし、作者はうちの娘ですから(広い意味での教え子だということ。実の娘という意味ではない)」と答え、受賞が決まった。

そんな話を屈託なく、あまりに無邪気に話されたので、単純にショックを受けました。
北村薫先生ご自身は、「うちの娘」を「実の娘」と勘違いした編集や選考委員の話をおもしろおかしく伝えたかったのだと思いますが、私はまったく笑えませんでした。
また、「母校の生徒さんですよね?(だとするとやっぱり気になるでしょ?)」と話を振った編集にも、それを聞いてどうするの? 作品の内容とどんな関係が? とツッコミたくなってしまいました。

こんなやりとりが最終選考の現場で行われていたのか。
そう思ったら、真面目に投稿したその他大勢の方がみじめに思えて仕方がなかったです。
また、「母校の生徒さんですよね?」と北村先生に話を振ったのは、北村先生の担当編集で、のちに『烏に~』の担当編集になった方。
この方も講演会に同席されていたのですが、「作者のプロフィールも本を売るには大切。読者はそこに注目する」とおっしゃられていて、さもありなんという気持ちになってしまいました。
本題は「AIが本を書けば人間の作家はいらないのではないか?」でしたが、内容よりプロフィール重視なら、本末転倒ではないでしょうか?

昨今の出版不況の影響で、「なんと作者は大学生!」をはじめとする、作品のレベルより作家のキャラクターで売ろうとする出版社が増えています。
「選考委員がきちんと選んだものだから、安心して受賞作が読める」

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