文藝春秋 2015年 8月号 [雑誌] の感想

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タイトル文藝春秋 2015年 8月号 [雑誌]
発売日2015-07-10
製作者立花隆
販売元文藝春秋
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カテゴリジャンル別 » 社会・政治 » 社会学 » 社会学概論

購入者の感想

実に読み応えのある内容で、充実の一冊。特に評者の目を惹いたのは、翁邦雄氏の「出口なき空前の大緩和 黒田日銀総裁、あなたは間違っている」(130~7頁)と神谷秀樹氏の「株価二万円時代 「高値掴み」をしない投資術(392~8頁)の二本。

「実際には、日銀が金融機関から大量の国債を買っても、日銀にある金融機関専用の当座預金口座のお金が増えるだけで、市中には溢れ出さないからです。密閉した貯金箱の中にお金を入れてみせているようなものですから、物価への直接的影響は全くありません」(131頁、翁氏による)。
「一つだけ全員一致をみたことがある。それは「日銀はもはや緩和を止めることができない」ということだ。止めた瞬間に国債の買い手が不足し、市場は崩壊する」(396頁、神谷氏による)。

個人的には、国債の消化は限界であり、株価が息切れするのももうじきとみている。中国経済がクシャミをしても日本へのインパクトはさほど大きくはないという論者もいるが、その影響経路は様々あり得る。日本は大丈夫でもわが国に影響のある他国がそれで風邪をひけば、このグローバル時代、結局はこちらにハネてくることは必至であろう。

毎月、買うわけではありませんが、面白い記事がありましたので、購入しました。

〇習近平暗殺計画(加藤隆則氏)

・中国駐在編集委員として自信を持って出稿した特ダネが、「物証がない」との理由だけでボツ原稿扱いを受けたため、やむを得ず、読売新聞社を退職した
・本稿は、中国の権力の中枢である中南海で起きた最高指導者の地位をめぐる政治クーデターの概要を、中国共産党幹部に対する党中央の「内部報告」をスクープすることで初めて明らかにした歴史的レポートである
・日本でもしばしば報道されているように、中国で権力の頂点に立つ習近平総書記が、過去に例のない規模で共産党と軍の幹部に対する反腐敗運動を進めている
・虎退治の象徴は、最高指導部の党中央政治局常務委員だった周永康だ
・指導部の分裂を避けるために生まれた「常務委は腐敗調査の聖域」との不文律を、習氏は政権一期目で突破してみせた
・江沢民氏の存在をバックに最高指導部入りした周氏は放し飼いの虎に変貌し、民主活動家の弾圧など専横を尽くした
・今回筆者が根拠とするのは、党中央から幹部への「内部報告書」であり、その詳細な内容によって、党が認定した政治クーデターの概要を把握することができた
・最高人民法院は、「周永康らが法治を踏みにじり、党の団結を破壊し、非組織政治活動を行った」と指摘した
・周永康は自分への捜査を妨害するため、習近平同志に対する暗殺を計画した
・権力闘争の側面から見た内部報告の核心は、周氏に対する最終処理について「2014年夏の北載河会議で江沢民同志が了承した」と言及があることだ
・北載河会議は毎夏、河北省の避暑地で開かれる長老を含めた非公式の幹部会議だ
・元党幹部は「あの北載河会議で、江沢民、胡錦濤、習近平の三者間が、どの範囲まで摘発するのか、大枠で合意した」と推測する
・江沢民は総書記を退いた後も、中央軍事委主席に留まって院政を敷いた
・習氏はその反省に立ち、胡錦濤の引退後、常務委を9人から7人へ減員し、江沢民院政の残影を一掃したのである
・習氏は「このままでは国も党も滅びる」という危機感を抱かせたのである

特集「戦後70年崩壊しる神話」のなかで原発安全神話に言及した
小出裕章氏の記事に注目した、原子力を推進する人達(国、電力会社
、産業界、マスコミ、労働組合)は原発に限っては決して大事故は起こ
らないと「安全神話」を作りあげてきた、そして4年前の福島第一原発
事故という大惨事、未だに収束しないなかで原発再稼働、新たな原発を
作り海外に輸出すという、なぜそんなことができるかというと、福島の事故
で誰も責任をとらず処罰もされないからという小出氏の言葉は重い。

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