中国4.0 暴発する中華帝国 ((文春新書)) の感想

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参照データ

タイトル中国4.0 暴発する中華帝国 ((文春新書))
発売日販売日未定
製作者エドワード ルトワック
販売元文藝春秋
JANコード9784166610631
カテゴリジャンル別 » 社会・政治 » 政治 » 政治入門

購入者の感想

この著者の作品を読むのは2冊目、やや過激なタイトルの「戦争にチャンスを与えよ」を読んで、徹底的な現実主義的戦略家の直接的な
分析と表現に非常に魅かれたが、いっぽう、何か変人の雰囲気のある著者の強引過ぎる物言いに些かの忌避感も覚えていた。だが、
この作品「中国4.0」は、戦略学博士の奥山真司氏によるインタビューを同氏が纏めた形になっており、同氏の理解の深さもあり、非常に
分かりやすく、読んで良かったと思わせる著作になっている。

この本の大きなテーマは中国。ルトワック氏の中国分析は極めて明快で示唆的だ。彼は、この15年で中国は、3回大きな戦略の変更をしており、
それを中国1.0、2.0、3.0と銘打つ。中国1.0では、平和的な経済優先主義で、多くの国の信頼を得つつあった中国が、それを胡錦濤の
弱腰外交とみる勢力が、全面的に強硬な拡張主義に転換する。それが中国2.0、そして、特に日本やベトナムなどから総スカンを食らい、
大国同士の2国間外交を軸に据えようとするも、これも米国が乗って来ず、結果現在は、「選択的積極主義」に方針変更した中国3.0に
移っていると分析している。

これらの戦略の間違いは、中国自身、元来戦略という概念に極めて疎く、カネと権力を混同する錯誤、いつまでも今の状況が続くと思う
線的予測の錯誤、そして2国間関係を重視するという錯誤から来ていると明確に言い切っている。少なくとも同氏の分析は、現象面から
見て言い得ており、やや過剰な物言いはあるが、正しいと首肯出来る。このような中国はしかしながら、習近平政権で極めて不安定な要素を
内包しており、これへの日本の対応についても、同氏は極めて明確なアドバイスを出している。幾ら頑張っても「シーパワー(海軍力)」は「海洋パワー
(政治外交軍事力などを包括した対応力」に勝ることはないという分析も的確だ。

文中、韓国に触れている箇所もあるが、韓国が執拗に日本を責めるのは、当時、日本に対して何もできなかった、彼らの祖父たちへの怒りの
表現だという。一部の韓国人が効いたら怒りでふるえそうなことを堂々と言っている。

軍事力が強くなり、敵国を潰す勢いでやると、周辺国が弱っている国を助けてしまい、かえって戦争に負ける、というロジックは衝撃的でした。孫子の兵法が盛んに言われているようですが、それは、漢民族以外には使えない、という欠点があるようですね。著者がイスラエル出身というだけあって、物事を中立的に見られるような作りになってます。
中国と仲良くしようという人がわんさかいるようですが、著書を読めば、常に中国に対して牽制をし続けないといけないことが分かります。蓮舫のように、中国でフォロワー35万人集めることをしていては、日本が滅びますよ?

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