コウテイペンギンの国 の感想

他のペンギン写真集と違うのは、ペンギン自体の写真が大きいことである。空や氷、まわりの景色を大きく入れた写真集が多いなかで、これはペンギンがドドーンと大きく出ているものが多い。なので、遠くで見ている感じを受けるのではなく、ペンギンが近くにいるような気にさえなる、臨場感を味わえる。愛らしいヒナの写真が多い。この著者は、ペンギンの写真家でも珍しい、コウテイペンギンの水浴びや、海に集団で飛び込む瞬間の撮影に成功している。そのほか、メスのヒナの取り合いの写真や、雪をくわえて遊ぶヒナなど、他の写真集では見たこともなかったショットもあり面白い。”よくこんなショット撮れたなあ。。。”と何度も思った。同時に、著者のコウテイペンギンへの愛情も深く感じられた。涙ぐましい苦労のエピソードや、コウテイペンギンとの出会いのエピソードも最後に書かれており、いっそう楽しめる。