シートン動物誌〈2〉オオカミの騎士道 の感想

※サンプル画像 クリックで拡大します

皆さんはオオカミをどう思いますか．貪欲かつ凶悪な害獣と思いますか．私は中学に入学した頃，内山賢次訳の「シートン動物記」を読み，オオカミに惹かれました．今この歳，75になって改めてシートンに会い，オオカミと人間の相互関係を考えました．

未開の時代、オオカミはアメリカ全土に200万頭もいたとシートンは推計します．その生き物は彼の時代に十分の一に減り，現代では殆ど絶滅しています．アメリカの人たちが，この本の著者アーネスト・T・シートン氏をも含めて皆が寄ってたかってオオカミを虐めたからです．日本でもトキは絶滅しました．昔ながらの水田がなくなり，トキは生活の拠点を失いました．オオカミとトキ，これら二つの生物の絶滅は同じ事象の別の２面です．

ところでこの訳本は，原本「Lives of Game