生誕の災厄 の感想

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参照データ

タイトル生誕の災厄
発売日販売日未定
製作者E.M.シオラン
販売元紀伊國屋書店
JANコード9784314001472
カテゴリ文学・評論 » エッセー・随筆 » 名言・箴言 » フランス文学

購入者の感想

シオランの著書としては、彼の「生誕とは、一つの災厄である」という告白からも分かる通り、最も明快な反哲学的著書。シオランの著書の多くはアフォリズムで書かれている為、非常に読みやすいが、猛毒性では、世界一かもしれない。そこら辺にある毒舌が裸足で逃げ出すであろう、「真実」に近い透徹した視線がある。ビジネスで成功を邁進している若者が彼の著書で会社を辞め、放浪の旅に出るであろうし、自殺志願者がこの世への怒りから現実に回避するという、人生の視点が遅かれ早かれ「必ず」180度変化することが保証できる本。とにかくシオランという人はどの著書でも同じことを語っているから、売り切れていたら別の著書を購入しても良い。しかし、彼の思想の根幹が最も分かる著書として是非読んで欲しいし、現代の病根が、実は「生きる」ことの肯定を強制する暴力=権力なのだと気づかせてくれる。学校制度はこのことを真摯に受け止めるべきである。シオランは夜、頭が冴えてわたって眠れない時に読むと特に有効で、なぜか彼の考えが良く理解できる。難しいアフォリズムもあるが、誰でも分かる短い文もある。分かるところから読んでいくべきだろう。本をお勧めしておいて何だが、下記の文を見て何を思うかじっくり考えてほしい。

一冊の本は延期された自殺だ

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