創られた伝統 (文化人類学叢書) の感想

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参照データ

タイトル創られた伝統 (文化人類学叢書)
発売日販売日未定
販売元紀伊國屋書店
JANコード9784314005722
カテゴリジャンル別 » 人文・思想 » 文化人類学・民俗学 » 文化人類学一般

購入者の感想

本書の思惑はおそらく、西欧近代における絶対理性のイルミネーションに対して、
ネイションだの、エスニシティだの非合理な面もある文化的要素をも視野に、
ある種の暗がりというか、精神内界に反映させた結果として、
最適化された統合原理による集合理論を考えてゆこう、との含みだと思います。

つまり、歴史の長い浅いなどはたしかに差異でしょうが、経時的な横軸とともに、
同時代的な縦軸をも思考の座標軸としてとる限り、現在性においてより有意な共存体制を模索するには、
やはり最適な規模の統合原理が求められて然るべきなので、
それを以て著者は「創出された伝統」としているのだと思います。
伝統重視というのは、歴史の長い国の場合、その後の変化が起こりにくいということにも如実であり、
また仮に歴史の浅い国でも、さらに以前から継続しているシステムを伝統とみなして振る舞う傾向にあるので、
いずれにせよ人類集団というのはかなり回帰的なのです。

そこで、伝統相当を意図的に創り出してでもそれにすがる傾向さえ覗きますが、
しかしそれはあくまで歴史的発展段階を無視しえないどころか、逆にグローバライゼイションの影響からも不可避なので、
結局それらの中間概念であるネイションとエスニシティの鬩ぎ合いとなり、
各ネイションなり各エスニシティたちが、資本市場においてしのぎを削っているのでは。
それだけに国、地域、民族集団などは具体的な利害関係しだいで離合集散しやすく、
それをむしろ文化の政治化といい、分析概念としているのが現状では。

伝統マークはいわばユニバーサルデザインである人類共通性に対する牙城的存在として機能することもあり、
その乱れた並立体制では、国際問題はいかんともしがたく、一方で身近な統合原理を欠くならば、
事態はさらに混迷し、国内的な収集すらままならないでしょう。
だとすれば結局のところ、伝統の最適化ひいては国際協調体制の構築をば進める必要があるのでは。
そこにこそ国際協力という概念とともに、伝統との両立を図る発想も生まれ、

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