カント 美と倫理とのはざまで の感想

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参照データ

タイトルカント 美と倫理とのはざまで
発売日販売日未定
製作者熊野 純彦
販売元講談社
JANコード9784062203944
カテゴリ人文・思想 » 哲学・思想 » 西洋思想 » 西洋哲学入門

購入者の感想

カントの「判断力批判」のいい解説書がないかなあ、と探している時に、偶然、店頭に並んでいる本書を見て、熊野純彦だから、買ってみようと思って買いました。
これまでいろいろな解説書を買いましたが、難しくてぜんぜん分からないので、半ばあきらめていましたが、本書を読んで、ぐんぐん引き付けられ、これは見っけものだ、と思いました。
1ページ・1ページ、それこそ、舐めるように読んで、ああ、分かってきたぞう、そういうことなのかあ、と感動しながら、欄外に鉛筆の線を引いて、真っ黒にしながら、1週間足らずで読んでしまい、読んだ後、ボオー!としてしまいました。
スゴイ本を読んでしまったなあ、さすが熊野純彦だ、私の狙いに間違いがなかった、と思いました。

これまで私は「判断力批判」は第一批判である「純粋理性批判」と第二批判である「実践理性批判」の総合として書かれたものと思ってきましたが、第一批判・第二批判とはまったく違うものであることを知りました。
むしろ、第一批判と第二批判の批判として書かれたものだと言った方がいいと思いました。
第一批判はデカルト以来の機械論的世界観をベースに書かれたもので、第三批判はその機械論的世界観を自己批判するアリストテレスの目的論的世界観の復興を目指して書かれたものと言えそうです。

第一批判では、自然は現象の総体と考えていて、自然はひじょうに貧しいものですが、第三批判になると自然はひじょうに豊かなものとして考えられるようになり、第一批判ではカントは神の存在を否定しましたが、第三批判では、むしろ神の存在を積極的に要請しているものに思えました。
神が存在しないと自然の目的、この場合の目的とは「外的目的」でなく、「内的目的」、つまり自然自体の目的ですが、それを論じることはできない、と言っています。
カントは第一批判では、純粋統覚という感性と悟性を統一するものの存在を重要視し、それを自我と言いましたが、「判断力批判」の場合は統覚よりも、構想力、判断力、を重視するようになります。
しかも、再生的構想力でなく、産出的構想力。
感性と悟性の根底にあって、両者を結び合わせるのが、再生的構想力とすれば、両者を生み出すのが産出的構想力。

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