アイデアを形にして伝える技術 (講談社現代新書) の感想

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参照データ

タイトルアイデアを形にして伝える技術 (講談社現代新書)
発売日販売日未定
製作者原尻 淳一
販売元講談社
JANコード9784062881036
カテゴリジャンル別 » ビジネス・経済 » マーケティング・セールス » 一般

購入者の感想

 梅棹忠夫のロングセラー『知的生産の技術』を踏襲している本書は、アナログのフィールドワークの手法をウェブ時代のデジタルに活かすため、インプットとアウトプットの両方を網羅的にわかりやすく解説した本である。

 著者のベースにある思想はいうまでもなく梅棹忠夫の『知的生産の技術』であるが、著者に大いなるインスピレーションを与えたのは、大学時代に垣間見ることのできた鶴見良行の「知的生産の工房」である。鶴見良行とは、東南アジア、とくに「海のアジア」を庶民目線によってフィールドワークによって調べ上げて、『バナナと日本人』や『ナマコの眼』などの名著を、つぎからつぎへと世に出してきた研究者のことだ。

 梅棹忠夫や鶴見良行といった先人たちの「フィールドワークから知的生産物を量産する技術」をウェブ時代に発展させたのが本書の特色である。いわばアナログ技術をデジタル化する技術といってもいいだろうか。

 本書は大きくわけて、インプット編とアウトプット編の二部構成になっているが、いうまでもなく読者にとっての読みどころは後者のアウトプットにある。具体的にいえば、レポートや企画書の書き方だ。本書じたいの企画案が掲載されているのは面白い(P.169)。本という形での「知的生産」を考えている人にも、役に立つだろう

 本書は、ビジネス書として分類するのは狭すぎるというべきだろう。なによりも、よくあるビジネス書とは異なり、発想の源はビジネス以外の世界にもひろく求めており、実例も豊富に紹介されている。仕事のうえで、なんらかの知的生産をしなければならない人にとっての知的読み物にもなっている。

 ただし、「アイデアを形にする」といっても、ここで語られているのは主に、企画についてである。いわゆる狭い意味での「知的生産」についてである。製品やデザインなどの「形にする技術」のことではない。目に見えるプロトタイプ(試作品)をつくる必要のある「ものづくり」そのものについては別の本を参考にしたほうがいい。ここでは、もっぱら目に見えないソフトについて語っている。

 ひろくアイデアの作り方と伝え方にかんして書かれた本として、とくに30歳台前半までの若い人にすすめたいと思う。 

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