チンパンジーはなぜヒトにならなかったのか 99パーセント遺伝子が一致するのに似ても似つかぬ兄弟 の感想

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参照データ

タイトルチンパンジーはなぜヒトにならなかったのか 99パーセント遺伝子が一致するのに似ても似つかぬ兄弟
発売日販売日未定
製作者ジョン・コーエン
販売元講談社
JANコード9784062161732
カテゴリジャンル別 » 社会・政治 » 政治 » 政治入門

購入者の感想

 科学・動物学的知識は皆無に近い文系人間であるが、面白く読んだ。「猿の惑星」に代表されるようにヒトはチンパンジーが一番近い兄弟だと認識している。実際両者の共通の先祖は600万年前に別れ、900万年前に別れたゴリラ、1600万年前に別れたオランウータンよりも近い。遺伝子上も本書サブタイトルにあるように1%しか違いがない事が近年証明されている。にもかかわらずヒトは文明を持つことができ、二足歩行をし、泳ぐ(チンンパンンジーは基本的に泳げないそうだ)。火を操り、核家族を持ち、子育てに家族が協力的(!、それぞれ違いがあろうが兄弟に比べれば、だ)である。

 本書は一般書としてはこれ以上ないくらいの「チンパンジー学」の歴史、概論である。「ヒューマンジー」すなわち両者の交配種を創ろうとした科学者の話、遺伝子解析、チンパンジーは言語を理解するのか(有名な京大の研究例も出てくる)、文化論(子育てなど)。461ページもあるが、特に言語や文化、行動の部分は文系人間でも面白く読めた(遺伝子の所は読み飛ばした)。結論から言えば両者の違いは非常に大きい。「猿の惑星」は永遠にフィクションである。確かにチンパンジーは道具を使い、他の動物にはない仲間との共感意識も強いが、「真似る」ことはできても「教える」習慣はないし、結局複雑な言語を持つことは「できない」。

 火を手に入れ料理をすることができるようになったことがヒトをヒトたらしめた、というのも目からウロコだった。チンパンジーは一日のほとんどの時間を食物を手に入れ、食べて寝る(時に交配する)ことに費やす。人は生の食物に火を入れることで食べやすくし、短時間でエネルギーを摂取することができるようになった。堅い物を噛み砕く必要がなくなり、顎の筋肉が小さくなることで頭蓋の容量制限がなくなり脳が成長したのだ。

 また二足歩行の起源では「気候が変わり森からサバンナになったので遠くを見るようになった」説は、近年の研究では怪しいとされている。どうもヒトが二足歩行を始めた頃はまだ森にいたらしい。これには「水中生活説」や「長距離移動のため(二足の方が遠くまで行ける)」など諸説あり確定していない…

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講談社から発売されたジョン・コーエンのチンパンジーはなぜヒトにならなかったのか 99パーセント遺伝子が一致するのに似ても似つかぬ兄弟(JAN:9784062161732)の感想と評価
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