英語の「なぜ?」に答える はじめての英語史 の感想

アマゾンで購入する

参照データ

タイトル英語の「なぜ?」に答える はじめての英語史
発売日販売日未定
製作者堀田 隆一
販売元研究社
JANコード9784327401689
カテゴリ » ジャンル別 » 人文・思想 » 言語学

購入者の感想

 著者は慶応大学文学部教授(英米文学専攻)。
 英語史に関する書というと、古英語時代から説き起こし、ノルマン・コンクェストという一大イベントを経た後は、欽定聖書とシェークスピア、そして英米帝国主義に伴う世界語への発展、インターネット時代のキー言語への躍進、といった具合に通史にそって英語の変遷を一冊でたどるというのが定番です。もちろんこの書でも第1章は「いかにして英語は現在の姿になったのか?――英語史入門」と題して、古英語で書かれた文献が現れる700年ころから現代までの英語史1000余年をたどりながら、音声、綴字、文法、語彙の変化を見ていきます。

 ですがこの本が類書と異なるのは、英語史の通観は最初のわずか20頁で駆け抜け、残りの150頁あまりを、英語に関する誰しも考えそうな疑問を英語変遷史の視点で読み解いていくという形態をとっていることです。
「なぜa appleと言わず、an appleというのか」
「なぜfiveの序数はfifthというのか」
「sometimesの語末のsは何を表すのか」
――といった、中学生レベルの英語で習うような単語にまつわる疑問が取り上げられていき、判じ物を読むかのようにその答えが解き明かされていくのです。

 例として挙げた上述の疑問に対しても、探るべきは<母音で始まる名詞の前で不定冠詞aがanになる理由>ではなく、<子音で始まる名詞の前で不定冠詞anのnが脱落する理由>のほうであるとか、<fifthがfivethと言わない理由>を探るのではなく、<元来fifだった単語がfiveへと変化した理由>を探るのが正確だというのです。
 どちらも、こちらの勝手な思い込みが設問の仕方を見誤らせていたということに気づかされた思いがします。

 また、sometimesのsは、名詞を副詞へと転換させる副詞的属格のなごりなのだとか。このsをつけると名詞が副詞になる例は、once (ones)、twice (twos)、always、nowadays、besidesなどに見られます。
 I go shopping

あなたの感想と評価

コメント欄

関連商品の価格と中古

英語の「なぜ?」に答える はじめての英語史

アマゾンで購入する
研究社から発売された堀田 隆一の英語の「なぜ?」に答える はじめての英語史(JAN:9784327401689)の感想と評価
2017 - copyright© みんこみゅ - アマゾン商品の感想と評価 all rights reserved.