日本語研究のための認知言語学 の感想

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参照データ

タイトル日本語研究のための認知言語学
発売日販売日未定
製作者籾山 洋介
販売元研究社
JANコード9784327384685
カテゴリ人文・思想 » 言語学 » 日本語・国語学 » 日本語研究

購入者の感想

 佐久間鼎が形式主義心理学にすぎないゲシュタルト心理学に依拠し日本語文法論を展開したのは良く知られているところで、三上章、寺村秀夫らを通し現在も影響を与え形式主義言語論が展開されている。
 認知言語学はゲシュタルト心理学に依拠したアメリカ版の形式主義言語論に過ぎないが、著者はその本質を理解することなく単なる西欧崇拝の意識からこれを奉り日本語解釈に適用しその欠陥を露呈している。

 言語は対象の認識の表現であるが、対象の捉え方、視点の転換、焦点化は言語表現固有の本質ではなく、絵画、写真、映画等でも示される通り、認識、表現の一特性に過ぎない。経験的知識も単に個人的経験ではなく文化、思想等として人類誕生から現在に引き継がれ、これからも引き継がれていく貴重な遺産で言語固有の問題ではない。
 認知言語学がキー概念とする概念メタファーも、「ある対象を、別のよくわかっている物事を通して認知する理解の仕組み」などと単なる機能論的現象理解を提示している。言語は概念による話者の認識の表現であり、比喩(メタファー)とは話者の認識が多重化しているところにその本質がある。概念は言語の表現内容を形成する実体ではあるが、内容ではない。概念によって形成され音声に結合している関係が内容なのであり意味なのであるが、単語の意義と文の意味も区別できない認知言語学にこのような本質的理解を提起することは不可能である。

 ≪「行為への着手」は「起点からの出発」である≫プライマリーメタファーの例として、

   日本は新たな日米関係の構築に向けてようやく一歩を踏み出した。

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