世界の文字と記号の大図鑑 ー Unicode 6.0の全グリフ の感想

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参照データ

タイトル世界の文字と記号の大図鑑 ー Unicode 6.0の全グリフ
発売日販売日未定
製作者ヨハネス・ベルガーハウゼン
販売元研究社
JANコード9784327377366
カテゴリ »  » ジャンル別 » コンピュータ・IT

購入者の感想

 文字と記号の多様さと多彩さもさることながら、やはりイントロダクションの部分が、一定の思想性の枠組みを持って書かれていて、私には一番興味深く、また面白かった。
 とくにピクトグラムと「エモジ(絵文字)」について触れた部分で、シュメール楔形文字がピクトグラムか否か、またそれとスマホ絵文字との違いなどに関する指摘は、短くはあったが、私の長年の問題意識をも、改めて刺激してくれた。絵文字は多層で輻湊するイメージ、意識、感情、そして情報を一時に伝えてくれるが、ならばそれは記号なのか否か、殷周青銅器の、縄文土器の、あるいはアラスカ先住民の「文様」をどう捉えるのか。ああした「モチーフ」もユニコード化することで、またひとつ文化に関する視野が広がるのではないか、などと考えは広がった。
 あとは、ここまで各文字がコードとして普遍還元化されてしまうと、そして誰にでも打ち込み使用できるようになると、それはもはや文字としての意味や機能を失い、たとえばアスキーアートや顔文字に見られる如く、アートやクリエイティビティの「素材」としてのみ使用されていくのではないか、とも遅ればせながら考えた。現にイントロダクションにも、いまやタイプデザイナーは各自デザインするフォント内に、ありとあらゆるグリフを取り込もうとしていることが指摘されており、もしもそれがフォントの枠をはみ出せば、それはもちろん脱構築された上での芸術となるだろう。
 総じて言えば、人間の営為についての様々な示唆を与えて、考察を深めてくれる、「本の本」を越えた「書籍」と私には受け取れたのである。
 最後に、まったく個人的かつ勝手な要望を蛇足的に付け加えるならば、私としては手に取りやすい縦長の判型になっていれば、と思ったことだった。

Unicode 6.0 などというとお堅いITの本のようですが、世界の文字のデザインブックで、装丁もレイアウトもフォントのデザインも秀逸です。 世界にはいろんな文字があるんだなぁ と眺めているだけでも楽しくなる本です。

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