孤独のすすめ - 人生後半の生き方 (中公新書ラクレ) の感想

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参照データ

タイトル孤独のすすめ - 人生後半の生き方 (中公新書ラクレ)
発売日販売日未定
製作者五木 寛之
販売元中央公論新社
JANコード9784121505859
カテゴリ » ジャンル別 » 文学・評論 » エッセー・随筆

購入者の感想

 この本のオビには「本書は2015年に刊行された『嫌老社会を超えて』に大幅加筆したもの」とある。この本は「下の勤労者世代」との対立を回避すべく、高齢者の生き方を提言した「賢老のすすめ」といってもよいでしょう。たとえば高齢者は年を取ると鈍感になるから、空気を読むように努めて、不作法で偉そうなことを口にしたりしないようにしよう。視力が衰えて本が読めなくなっても、回想力は残る。ガラクタも捨てずに眺めては回想を楽しむ。回想は人間不信と自己嫌悪も癒してくれる。お金もかからない。これも高齢者の生き方です。
 これからの社会は「低成長・高成熟」目指したい。高齢者のニーズにもっと即した、高齢者自身による商品開発などの高齢者産業は、下の世代の雇用も拡大させる。さらに日本を「高齢カルチャー」のセンターにできないか。世界のモデルになれる。など、真面目な提案だ。
 私がいちばん気になったのは、五木さんが、国民大衆がどこへ行くのかとても心配している点である。希望がない「漠たる不安」の中で、その不満を娯楽など一時の気晴らしで紛らしている大衆。そんな人々の鬱積したマグマはどこへ噴き出すのか。私の想像だが五木さんは、大衆がレイシズム・排外主義に雪崩を打って駆け込まないか心配しているのではあるまいか。(すでに前兆はある。)
 それにしても人生下山期の「減速」を提唱される五木さんご自身は、次々に本を出され、連載、ラジオ、テレビ、講演などたいへん多忙のはず。とても「玄冬」というイメージではない。五木さんを見習って、シフトダウンしても心のトルクは高くして、私も衰え行く体を抱えながらギリギリまで「右往左往」したいものです。
 なお手にするまで、この本は2014年の『孤独の力』に近い内容かと思っていた。「孤独」そのものについての五木さんの考えを読みたい方はこちらがおすすめと思います。

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中央公論新社から発売された五木 寛之の孤独のすすめ - 人生後半の生き方 (中公新書ラクレ)(JAN:9784121505859)の感想と評価
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