はだかんぼうたち の感想

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参照データ

タイトルはだかんぼうたち
発売日販売日未定
製作者江國 香織
販売元角川書店(角川グループパブリッシング)
JANコード9784041104101
カテゴリ文学・評論 » 文芸作品 » 日本文学 » あ行の著者

購入者の感想

江國香織さんの文章って生活が感じられるのが心地いい。
本筋とはまったく関係のない、細かな描写を丁寧に描くのが好きです。

登場人物たちが誰にも見せたくない心の内側をさらけ出すような作品だから「はだかんぼうたち」・・・なるほどなタイトル。

物語の語り手がコロコロと変わるスタイルなのだけど、一体、何人の口から語られるんだろう。
こういうスタイルの小説は数あれど、こんなに語り手の多い作品は初めて読んだかも。
最初は誰が誰だかで混乱したけど、それぞれがわかってくるとこの形の方がより彼らを深く理解できる気がする。

裸の心ですべてをさらけ出してしまうと、一人の人なんて選べない・・・それはすごく正直な気持ちだと思う。
そして、いつも誰かと繋がっていたい、たしかな安心できる物も欲しい。
要するに、心はいつも寂しいんだ。傷だらけなんだと思わざるを得なかった。
明確なラストが準備されているわけでなく、なんとなく終わってしまうことを不満に思う読者もいるだろうけど、
私はこの人達にはこのラストがお似合いな気がします。

どうしていい大人の桃や響子が、鯖崎みたいなつまんない軽い男に引っかかっちゃうんだろう? 私は鯖崎の中身に何の魅力も感じない。
でも、きっと子供が4人もいて、家族一筋で突っ走ってきた響子がこんな男にコロッといっちゃうのは寂しさ故のことなんだよな〜。
なんだか切ない・・・・・。

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