笑う月 (新潮文庫) の感想
参照データ
タイトル | 笑う月 (新潮文庫) |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 安部 公房 |
販売元 | 新潮社 |
JANコード | 9784101121185 |
カテゴリ | 文学・評論 » エッセー・随筆 » 著者別 » あ行の著者 |
購入者の感想
この本に収録されている「飛ぶ男」は私を安倍公房のファンに引き込んだ思い出深い作品です。この作品は5歳上の高校に通う兄の現代国語の教科書に、短編ということもあるでしょうが、掲載されていました。どの様な意図を持って高校の教科書に採択されたのかは、今更ながら興味深いことですが、初めて読んだ時は、夢が現実に浸入してくるような不思議な感覚に陥り、しばし呆然としました。
大袈裟にいえば短編ながら独自の世界にひきこむ力強さに、小説というものの面白さを初めて感じさせてくれた作品です。実は収録されている作品は当時私が読んで感動した作品と結末が変更されています。別途発刊されている安倍公房全集には当時のままのものが収録されています。安倍さんは作品発表後も出直しを続ける作家として有名だったようで、余談ですが、同氏の死後に残されたフロッピーディスクの中に、この作品をモチーフにした長編?小説が見つかったらしいです。現在これも発刊されていますが、安倍さんにとっても思い入れの深い作品だったようですね。
大袈裟にいえば短編ながら独自の世界にひきこむ力強さに、小説というものの面白さを初めて感じさせてくれた作品です。実は収録されている作品は当時私が読んで感動した作品と結末が変更されています。別途発刊されている安倍公房全集には当時のままのものが収録されています。安倍さんは作品発表後も出直しを続ける作家として有名だったようで、余談ですが、同氏の死後に残されたフロッピーディスクの中に、この作品をモチーフにした長編?小説が見つかったらしいです。現在これも発刊されていますが、安倍さんにとっても思い入れの深い作品だったようですね。