人はなぜ太りやすいのか――肥満の進化生物学 の感想
参照データ
タイトル | 人はなぜ太りやすいのか――肥満の進化生物学 |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | マイケル・L・パワー |
販売元 | みすず書房 |
JANコード | 9784622085539 |
カテゴリ | » 本 » ジャンル別 » 科学・テクノロジー |
購入者の感想
ヒトが長い期間掛けて選択した遺伝的、生物的要因は、劇的に変化した現代の環境との相互作用の結果、体重増加を起こした。
本書は、肥満が引き起こす身体的要因を解剖から開始し、食事、エネルギー代謝などから考察するとともに、時間軸を長くし、ヒトの進化の過程でなぜ体重だけが急激に増加してきたかに言及している。私たちが何気なく「飽食になったから」という理由だけでなく、多くの要因が絡み合っていることを教えてくれる。現代の人間が抱える体重増加・肥満といった「疾病」の基盤となる書類であり、最新的な知見に基づき、科学が「何が分かっていて」、「何が諸説ある」かを丁寧に記述している。
その意味で、栄養、運動に関わる科学者にとっては、知識を網羅的に習得することができる。また、健康に関わる企業や一般市民にとっては、ネットに蔓延る噂とは一線を画する、エビデンスに基づいた知見を得られると思う。つまり、肥満に対する教科書と言ってよく、特にこの分野の科学者にとっては必読書と思った。
日本語訳については、よく見受ける単に英語を日本語に直したという「分かりづらさ」がない。丁寧な日本語の文章に訳されており、違和感なく頭に入ってきて読みやすい。
本書は、肥満が引き起こす身体的要因を解剖から開始し、食事、エネルギー代謝などから考察するとともに、時間軸を長くし、ヒトの進化の過程でなぜ体重だけが急激に増加してきたかに言及している。私たちが何気なく「飽食になったから」という理由だけでなく、多くの要因が絡み合っていることを教えてくれる。現代の人間が抱える体重増加・肥満といった「疾病」の基盤となる書類であり、最新的な知見に基づき、科学が「何が分かっていて」、「何が諸説ある」かを丁寧に記述している。
その意味で、栄養、運動に関わる科学者にとっては、知識を網羅的に習得することができる。また、健康に関わる企業や一般市民にとっては、ネットに蔓延る噂とは一線を画する、エビデンスに基づいた知見を得られると思う。つまり、肥満に対する教科書と言ってよく、特にこの分野の科学者にとっては必読書と思った。
日本語訳については、よく見受ける単に英語を日本語に直したという「分かりづらさ」がない。丁寧な日本語の文章に訳されており、違和感なく頭に入ってきて読みやすい。