海軍乙事件を追う――日本の運命を決めた十二日間 の感想
参照データ
タイトル | 海軍乙事件を追う――日本の運命を決めた十二日間 |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 後藤 基治 |
販売元 | 毎日ワンズ |
JANコード | 9784901622943 |
カテゴリ | 歴史・地理 » 日本史 » 一般 » 日本史一般 |
購入者の感想
本書は、歴史的スクープ「12月8日、日米開戦」をスッパ抜いた新聞記者の戦地における記録である。
上梓する前に亡くなった著者に代わって、夫人がまえがきを書いているが、これがなかなか面白い。
それによると、乙事件が起こった昭和19年、著者はたまたまマニラに駐在していた。この大事件の発生直後から走り回り、多くの当事者に会って細かく取材をしたという。そのとき受けた印象から、現地に広まっていた「古賀連合艦隊司令長官が捕虜となって生きていた」との噂については否定的であった。
ところが戦後、「古賀長官を見た」という目撃者たちの話を聞くうち、なにか引っかかるものを感じ始めたようだ。戦後テレビの世界に入ってからも、仕事の合間に乙事件の取材だけは続けていて、亡くなる直前まで全国各地に関係者を訪ねては新たな真実を聞き出していたというからその執念はただごとではない。
戦争を知らない私としては、初めて知る内容ばかりで実に参考になる本であった。最後の「気の毒なことをした。あの状況では古賀さんも生きては日本に帰れなかっただろう」という謎めいた言葉が妙に心に染みた。
上梓する前に亡くなった著者に代わって、夫人がまえがきを書いているが、これがなかなか面白い。
それによると、乙事件が起こった昭和19年、著者はたまたまマニラに駐在していた。この大事件の発生直後から走り回り、多くの当事者に会って細かく取材をしたという。そのとき受けた印象から、現地に広まっていた「古賀連合艦隊司令長官が捕虜となって生きていた」との噂については否定的であった。
ところが戦後、「古賀長官を見た」という目撃者たちの話を聞くうち、なにか引っかかるものを感じ始めたようだ。戦後テレビの世界に入ってからも、仕事の合間に乙事件の取材だけは続けていて、亡くなる直前まで全国各地に関係者を訪ねては新たな真実を聞き出していたというからその執念はただごとではない。
戦争を知らない私としては、初めて知る内容ばかりで実に参考になる本であった。最後の「気の毒なことをした。あの状況では古賀さんも生きては日本に帰れなかっただろう」という謎めいた言葉が妙に心に染みた。