日本会議の全貌 知られざる巨大組織の実態 の感想

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タイトル日本会議の全貌 知られざる巨大組織の実態
発売日販売日未定
製作者俵 義文
販売元花伝社
JANコード9784763407818
カテゴリジャンル別 » 社会・政治 » 政治 » 政治入門

購入者の感想

著者はジャーナリストであり、教育分野を中心の多くの著書がある。著者はまた、古くからの日本会議「ウォッチャー」として知られる。最近、日本会議に関する本が続々と出版されているが、本書の特徴は、教科書問題を中心として日本会議の政治・思想活動の詳細を丹念に追うことで、日本会議こそが日本の極右化の元凶であることを明らかにしていることである。

菅野完著『日本会議の研究』(扶桑社新書)と同様に、本書でも日本会議の源流は、「成長の家」の学生信者の政治活動にあることを明らかにしている。日本会議(事務総長:椛島有三)、日本会議の実働部隊である日本青年協議会(会長:椛島有三)、安倍政権の極右政策立案の黒子である日本政策研究センター(代表:伊藤哲夫)など、中心人物には「成長の家」の元学生活動家が実に多い。国会議員の中には票目当てで日本会議に所属している議員もいるだろうが、本書が明らかにしているように、安倍首相の側近にはゴリゴリの「成長の家」系の極右議員が実に多いことに驚く。日本会議の思想に最も近い人物として、日本会議が安倍首相を珍重し、その在任期間に改憲を目指していることがよく理解できる。

「日の丸・君が代」法制化や、歴史修正主義的教科書編纂とその拡販、改憲のための1000万人署名運動など、左翼から学んだ日本会議の政治・思想活動の執拗さと徹底ぶりには驚く。日本における左派の衰退と日本会議の「躍進」とは表裏一体の関係にある。また極右政権の誕生は日本会議を中心とする極右団体と「共鳴現象」を起こして、右傾化を加速したと見られる。「日本会議的なるもの」に共鳴する人は日本に一体どれくらいいるのだろうか。それには極右派の愛読紙『産経新聞』の発行部数が目安になる。日本ABC協会によれば、『産経新聞』の発行部数は、朝刊161万部、夕刊52万部、合計213万部である。朝夕刊のダブリを考えれば、全国で極右志向の人間は200万人程度で、これは日本の成人1億495万人の1.9%に過ぎない。このような少数者が改憲など、戦後日本を全く変えようとする運動を主導していることに戦慄を覚えると同時に、その正体を見極めて、世の中に彼らの真の狙いを広く知らしめることが極めて重要であると考える。

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